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のほほんほわほわ

植物擬人化小説『ラベンダーさん』が読めます

隕石降ってきた!!

ぼくと赤オニちゃん

今回の登場人物紹介

スマイルくん「スマップ解散! おめでとぉぉぉ!」
小学6年生。アスペルガー症候群。非常にマイペース。
好きな本はポケモンの本と東京超詳細地図。

大統領くん「ドナルド・トランプも田谷野さん大好きって言ってたよ!」
嘘つけよ(笑)
小学4年生。軽度の発達障害。最近サッカーを習い始めた。
フィリピン人と日本人のハーフで男が大好き。
1日数回は「田谷野」と呼び捨てにする。

ブラックくん「あはははは! 見て! 見て! ねえ見て、田谷野さぁぁぁん」
元気な小学1年生。かなり軽度の発達障害。ほぼ普通の子。
赤オニちゃんが心を許す男の子。消防車のはしご車が大好き。

赤オニちゃん「キャー! きゃー!」
小学4年生。広汎性発達障害。最近漢字に取り組み始めた。
ぐでたまとかすみっこぐらしが大好き。
妖精ちゃんと子猫ちゃんに嫉妬中。

妖精ちゃん「抱っこして」
小学1年生。家庭のゴタゴタで施設を利用。
将来の夢はフィギュアスケーター。

子猫ちゃん「引っかくに決まってるでしょ!」
小学6年生。知的障害。体温の調節が苦手。
可愛いの女の子大好き。二週間前からタヤノンとバンドを組み始めた。
「今日も練習するんだからね! わかった?」
インフルエンザになってしまったため、ウインタースクールで
新潟へは行けなかった。残念。

ぼく「引っかくに決まってるんだ……」
最近嬉しかったことは、他の教室の子に「金髪イケメン」と連呼されたこと。
しかし鏡を見ると……。
うーん。
ポジティブに行こう。まあ普通の人。
同世代からの受けは普通だが、老人受けと子供受けは自慢できると思う。


本日最初に教室に来室したのは、同じ学校の
スマイルくん、大統領くん、ブラックくん。

最近スマイルくんは「スマップ解散おめでとぉぉぉ」
と言わなくなっていたのに、なぜか今日、スイッチが入ったように言い始めた。
ぼく「人の不幸を喜ばない。ファンの人に言ったら怒られるよ」
スマイルくん「怒られる? どんな風に怒られるの?」
ぼく「刺されたり海外に売り飛ばされたり」
スマイルくん「ホントに! じゃあ、スマップ解散おめでとぉぉぉ! アハハ」
ぼく「知ってた? タヤノン本当はスマップのファンなんだ。
はい体売り飛ばしまーす!」
スマイルくん「アハハハハ、やめ、やめて、アハハハハ」

この海外に売り飛ばしますごっこを10分ぐらいやっていた。

スマイルくんも本当はわかっている(と思いたい)はずだけど、
彼なりのふざけ方だと思う。
アスペルガーの彼は人との関わり方が本当に苦手で、
他児ともほとんど関わることができない。
ほとんどひとりで本を読んで過ごしている。
だから「スマップ解・散! おめでとぉぉぉ!」というのは、
彼なりの言葉で「ぼくと遊んでよ!」って言っているのだと思う。

ぼく「もう東京湾に沈めまーす!」
スマイルくん「沈めるってどういうこと?」
ぼく「(マジか……)息ができない状態にするってこと。死んじゃうの」
スマイルくん「ほんとに!? やったー、スマップ解散おめでとう!!」
ぼく「あ! はいもう東京湾に沈めまーす!」こちょこちょこちょ
スマイルくん「やだぁはははは! やめ、やめてください!」

このあとあまりにもしつこく
「解散おめでとう! ねえ、田谷野さん、スマップ解散して嬉しい?」

と言うので、
ぼく「じゃあ、新しくスマップ作ろっか。メンバーは……」

大火くん
善悪の区別はつくが、我慢が苦手で思ったことをすぐにする。
荒ぶる猛者。小学1年生の時すでにワニワニパニックでスタッフを
病院送りにしたり、小学6年生を泣かしていた。
小学5年生になった今ではだいぶ落ち着いているらしいが、
教室のカメラを隠したことを疑われ、持っていないと
子猫ちゃんの前でチンコを披露。
他にも、学校の友達と手に殴っていいよと言ってふざけていたら
すり抜けてしまい、顔にパンチされて切れたりする(苦笑)

もんもんくん
小学4年生。ダウン症。
意思の疎通は少し難しい。不機嫌になると友達に
顔面パンチ( ・д・)⊃)・O・)
本能で生きる。運動が大好き。

シャチくん
ADHDの小学3年生。
前にオモチャを取られたことを根に持ち、
もんもんを標的にする。
絵に書いたような典型的なADHDで、静かにするのはまだ難しい。
シャチのように無邪気。もとい残酷。

ブラックくん
問題行動が見当たらない……。
元気で明るい一年生。

ぼく「これにスマイルくんね」
スマイルくん「このメンバーやだぁ! ヤダ! ねぇ、田谷野さん、やめて」
ぼく「はい、スマイルくんは新しいスマップのメンバーです」
スマイルくん「ねぇヤダ! 田谷野さんごめんなさい! やめて! ヤダヤダヤダ」

本気で嫌がるところをぼくは初めて見た。
ちょっと遊ぶ分にはいいけど、あまりにも度を超して「スマップ解散おめでとう」
といった時には「はい! 新しいメンバーに入れまーす」
と言おうと心に思ったぼくであった。

いい方法だな。叱ることがあまり効果ない子だからなぁ。
注意はもちろんするけど。

 

このあとはぼくはブラックくんと大統領くんとサッカーをした。

大統領くんはコーチ役で、ブラックくんとぼくは選手だった。

大統領くん「はい体操始めまーす!」
ブラックくん「寝ちゃお!!」
ぼく「コーチ、寝てる人がいますけど!」
大統領くん「おい、ちゃんとやれよ! はい、体操しまーす!」
ブラックくん「走っちゃお!」
ぼく「コーチ、あの人走ってますけど」
大統領くん「おい何走ってんだよ! いま体操時間だぞ!
はい、それじゃ、今度はあそこにシュートしまーす」
ブラックくん「シュート! シュート」
大統領くん「おいオレに当てるんじゃねえよ!」
ぼく「コーチwwしっかり指導してくださいよwww
ぐだぐだじゃwwwないですか」

大統領くん「あそこにシュートするんだよ!」
ぼく「シュート!!」
大統領くん「田谷野ナイス!! オレも入った!!」
ブラックくん「疲れたので寝まーす」(防災頭巾と毛布を持ってきて)
ぼく「ちょっとコーチwwあの一年本気で怒ったほうがいいんじゃないですか?」
大統領くん「おい、ゴール前で寝るんじゃねーよ! おい!!」
ぼく「もうwwwメチャクチャじゃんww コーチしっかりしてくださいよww」

そしてぼくもブラックくんと一緒に寝ると。
大統領くん「ブンブンハローユーチュ~ブ!」
ぼく「なんでユーチューバーが起こしに来るんだよ(笑)」

文字に起こすとけっこうあっさりした感じになってしまったが、
実際にはもっと濃かった。ホントにコントみたいだった。

それにしてもブラックくんはすごいと思う。
小学一年生でもう、ふざけ方が分かっているのだから。
分からない子だっていっぱいいるんだもん。
本当にすごいと思う。

 

この後は妖精ちゃんに絵本を読んであげた。
「とっとこトマちゃん」と、
「とっぺんのとけい」

妖精ちゃん「とっぺんって変な名前」
ぼく「そうだね(あ、やっぱりそう思うんだ)」

読み終わると療育活動のカレンダー作りの時間にちょうどなった。
ぼく「はい、行くよ」
妖精ちゃん「抱っこして」
ぼく「せっ」

軽いなぁ。ほんとうに雪の妖精みたい。ぼくは妖精ちゃんを降ろした。
妖精ちゃん「ここじゃないあっち」
妖精ちゃんはぼくの脚にしがみついた。
最近よく抱きつく。
ぼく「ちょっとうごけないよ」
妖精ちゃん「このまま連れてって」
ぼく「このまま引き連れと!?」

結局他のスタッフに足を持ち上げられ妖精ちゃんは連行された。

お雛様とお内裏様の形の紙に、折り紙を貼ってカラフルにして、
鉛筆で顔を書いてあげてそれをカレンダーに貼るのが今回の活動。

スマイルくんは活動中、集中ができなくて度々テーブルから
離れて窓へ移動していたが、ぼくが説得しに行くと、
ぼくに抱きついてテーブルに戻った。
これを三回ぐらい繰り返した。
そのたびに抱きつかれた。
抱きついてもいいと認識されるぐらいには、信頼されているらしい。
他の人に抱きついているのは見たことがない。

発達障害全般に当てはまりやすいことだが、
実際の年齢の3分の2ぐらいの精神年齢だと本当に感じる。
12歳のスマイルくんは、実際には心の年齢は8歳ぐらいかもしれない。
今日もおんぶをしてと頼まれたし。
これが難しいところで、心の年齢が幼くても、
女の子の場合は男女間の距離も教えないといけないので、
甘えたくてくっついてくる子猫ちゃんをぼくは拒否しなければいけない。

男の子ならいくらでもおんぶしてあげるけど、
それを子猫ちゃんに見られると「ずるい」と言われる。
「女性にやってもらって」と拒むと、「タヤノンがいいの」
と子猫ちゃんは言ってくる。難しいね。察してくれよと思うが。
個人的にはそういってもらえて嬉しいけど。ごめんね。


活動後は子猫ちゃんのバンド練習に参加した。
子猫ちゃんはキーボードでアフリカン・シンフォニー
なる謎の曲を演奏し、ぼくはドラムでリズムを刻んだ。

そして赤オニちゃんとパズルちゃんと子猫ちゃんと一緒に、
隕石ごっこをした。具体的な遊び方としては、
ぼくが両手をグーにして、
「隕石降ってくる! みんな滅んじゃう!!」
と言って赤オニちゃんたちに襲いかかる遊び。
みんなは空気入れを使って必死に隕石が落ちないように抵抗していた。

この遊びは受けがかなり良かった。

最後は子猫ちゃんと赤鬼ちゃんと一緒に
人形遊びをして終わった。

赤オニちゃん「ぼくトカゲ。ヒコザルの耳の中入っちゃおう」
赤オニちゃん「ふえぇぇ、やめてよ~」
ぼく「トカゲ、逮捕だ」
子猫ちゃん「バイクぶぅぅうぅん!」
ぼく「おい、スピード出し過ぎだ! 逮捕するぞ」

この遊びで機嫌がよくなったのか、
子猫ちゃんはぼくだけに秘密を打ち明けてくれた。

子猫ちゃん「みんなには内緒ね。これチロルチョコ、友達にもらったの」
ぼく「おい何持ってきてるんだww」
子猫ちゃん「言わないでね」
ぼく「言わない言わない」
子猫ちゃん「おうちに帰ったらね、お母さんに内緒で冷蔵庫に隠しとくの。
でもあの人すぐ捨てちゃうから、すぐに食べるの」
ぼく「そうかそうか(笑)」

そして帰る時。
子猫ちゃん「わたしタヤノンと出る!」
赤オニちゃん(イラッ)
子猫ちゃん「ほら、疲れてんだから荷物持ちなさいよ!
エレベーターの中にもちゃんと来てよ」

そう言って子猫ちゃんはぼくの腕に抱きついてくるのだった。
いま拒絶したら……絶対不機嫌になるだろうな。
ま、時がきたら本人から自然に甘えなくなるだろうし、
今ぐらいはいいか。

そしてぼくはエレベーターの人数の都合上階段で一階まで降りた。
子猫ちゃんがぶつくさ文句を言ったので、
なだめる同僚の声が聞こえた。

エピソード・シャチくん

ぼくと赤オニちゃん

シャチくんは小学三年生の男の子。典型的なADHD。

シャチの人形が大好きで、持っていると落ち着くため、

だいたいいつも持っている。

 

ADHDというより、前世はシャチだったのでは?と思うぐらいに

元気で無邪気。時に残酷。

よくしゃべったり、落ち着きがないため叱られてしまう。

叱られない日はない。叱られランキングNo,1.

乗り物が大好きで、レゴで自作した999を持っているが、

よく壊れる。しかも床に置きっぱなしにして、人に壊されると怒る。

キャプテン・ハーロック、銀河鉄道999、宇宙戦艦ヤマトに詳しい。

ぼくの世代でも知っているやつは少ないぞ。

実際の戦艦大和や三笠についても詳しく、三笠については記念艦にも

行ったことがあるそう。

 

将来の夢は車掌さん。

週4の施設利用。

 

よくダウン症のもんもんくんのことをバカにする。

これについてはもんもんくんに非があるが、

小学4年生のもんもんくんは

精神的には1年生ぐらいだからかなりしょうがない部分がある。

不機嫌になると顔にグーパンしてしまったりと……。

 

今日はそんな彼のお話。

 

今日の療育活動は、良いことの発表。

「だれが。いつ。どこで。何をした。そのときの気持ちは」

この言葉が書かれた紙を見ながら嬉しかったできごとを

皆の前で発表するのだが、山形県にSLに乗って行ったことを

発表していた。一番長くしゃべることができて、誇らしげで良かった。

 

6時便でみんなを家に送る車の中で。

ぼくは手でサメを作っていた。

ぼく「いただきまーす」

シャチくん「わたしは神様です」

ぼく「神様!?」

シャチくん「そうです、人間を食べるのをやめなさい」

ぼく「だってお腹空いてるんだもん」

シャチくん「わたしがご飯をあげましょう」

ぼく「わーいわーい」

シャチくん「ついでに体を大きくしてあげましょう、ビッグライト!」

ぼく「わぁぁぁぁぁ!」すぼめていた指先をパーのようにする。

シャチくん「それでは私は天国に還ります」

ぼく「天国っていいところですか?」

シャチくん「いいところですよ。食べ物は美味しいし、気持ちがいいです。

肉食のサメは、肉食のサメの天国へ行きます。

でもジンベエザメは肉を食べないので、人間と同じ天国へ行きます」

ぼく「マジか!?」

シャチくん「ちなみにわたしの名前はかみぞうです」

ぼく「かwwみwwぞうwwww」

 

こんな微笑ましいやりとりがありました。

 

シャチくんはいつもエネルギッシュだけれど、

五年生の大火くんに泣かされた一年生の妖精ちゃんに

絵本を読んであげたりと、思いやりを持った男の子。

 

きみならきっと、いい大人になれるよ。

高校生でたぶん、相当やんちゃしそうだけど(笑)

ハリー・ポッターと呪いの子 学生時代となんら変わらん

いっくん日記

こんにちは!

 

インフルエンザにかかってしまい、療養中です。

なので、具合が悪くなる一日前に買った

ハリー・ポッターと呪いの子を読みました。

 

ハーマイオニーは頭が切れるし、

ロンはいい感じに空気を緩めてくれるし、

ハリーは悩んでるし、

ドラコは相変わらずハリーにネチネチ言ってるし、

学生の頃とまるで変わらない(笑)

 

しかもだぜ? 変わらないのは性格だけじゃなく、展開もだった。

 

何か問題が起こって、マクゴナガル先生を困らせて、

禁じられた森へ行くというハリー・ポッターシリーズの

王道パターンを見事に披露していた。

 

こいつら……40代になって何やってんだ……。

 

マクゴナガル先生ももう御年94歳なんだから、

いいかげんいたわってあげてよ。

 

特に今回のハリーのマクゴナガル先生に対する仕打ちは

ひどいものがあった。

 

ハリーの息子であり、主人公のアルバス・セブルス・ポッター

(すごい豪華な名前)

は、ドラコの息子のスコーピウス・マルフォイと仲良し。

 

でも、ハリーとしては自分の息子がドラコの息子と仲がいいことが

面白くない。

 

そこで、忍びの地図をマクゴナガル先生に渡して、

24時間ふたりを監視してください。

もし会っていたら、すぐに引き離して知らせてください。

もしイヤだというなら、魔法省は全力を挙げてホグワーツに圧力をかけます。

 

ハリィィィィィ! マクゴナガル先生をイジめないで!

 

ハリーも魔法法執行部の部長となり、けっこうな権力を持ってるから

恐ろしい。でも息子のことで頭がいっぱいでも、もうちょっと

考えてっ!

 

94歳にもなって元教え子から脅されないといけないとは、

マクゴナガル先生が不憫で仕方なかったよ。

 

 

物語としてはタイムスリップものなので、

オールスター大集合。あの人も「あの人」も出る。

出て欲しいところで出て欲しいキャラが出てくるから気持ちよかった。

 

訳に関しては……

 

ときには代償は支払わねばならぬものだ

 *1

 

ハリーたちがいつまでも変わらないように、

訳者もまた、変わらないのであった。

 

なかなかいいオチでしょう?(笑)

 

最後に、私が作中で一番心に響いた言葉を紹介します。

 

不思議ではないか? 内なるものから何が出るかは

 

リリーと同じ雌鹿の守護霊を出した時の、スネイプ先生の言葉。

スネイプ大好き!!

*1:セブルス・スネイプの言葉から引用

もっとヘミったりスピりたいですね

いっくん日記

今週のお題「新しく始めたいこと」

 

新しくってわけじゃないですけど、

もっと自分の霊感を高めて、いろんなアイディアに刺激されて、

物語を作っていきます。はい。(説得力なし)

 

後いま私インフルエンザにかかっています。

読む時はマスクしてください。

最近のインフルエンザはすごいですからね~(精いっぱいのギャグ)

 

 

 

大人になって念願の神棚を設置してからというもの、

いろんなものを視る機会が増えました。

(神棚ってパソコンみたいだと割と思う。失礼かしら)

 

ヘミシンクCDを聴くようになってからはさらにその頻度も多くなり、

ぼくの霊感も少しは上がったようです。

 

人の守護霊が視えたり、生霊というか念に抱きつかれたり、

なんかモフモフしたものに襲われたり、

天使の歌が大音量で聞こえて起こされたり。

 

世の中って、実は思っているよりもずっとずっとファンタジーなんだなって

感じて。

 

こういう風にスピスピ言っていると

まだまだ変な目で見られがちな世の中ですが、

もっとみんなにも視えればいいのに、そう思う。

 

だってさ、日本なんてこんなに神社やお寺がたくさんある国なのに、

なんでみんな視える人には冷たいんだろう?

もっと視える人が増えればいいのにねえ。

 

たまに私も、全部私の妄想なんじゃないかな?

って思ったりするけど、う~ん。

でも体に病気の予兆はないしねえ(じゃ頭の病気か――って失礼な!)

 

とゆわけで! お金に余裕ができたら

ヘミシンクCDのゲートウェイ・エクスペリエンスの続きを買って、

あとは、ラベンダーさんを書いていくということで!

 

なんだ、いつも通りじゃん。

新しい訳じゃないって前置きしましたから!(逆切れ)

スマイルくん「スマップ解散! アハハ」 ぼく「……(困惑)」

ぼくと赤オニちゃん

スマイルくんは自閉症で6年生。

 

いつも笑っているのが特徴。

施設での過ごし方は各ポケモンについて詳しく書かれた本や

東京超詳細地図(何が面白いのかしら……こだわりがあるらしい)

をひとりでずっと読んでいたり、トミカをひとつ持って

寝っ転がりながら動かすのが好き。

帰りの支度がとにかく遅い。

一番最初に準備をし始めたのに、なぜか一番最期に靴をはいている。

連絡帳しまってジャンバー着てランドセル背負うだけなのに……。

と言ってしまうのは愛がないな。

マイペースである。

 

ポケモンのソーナンスにすごいよく似てる。

口癖は「無能ラプラス」(笑)

 

彼曰くラプラスは無能らしい。

ポケモン廃人のみなさん、ラプラスは本当に無能なんでしょうか?

 

今日は、そんなスマイルくんのお話。

 

スマイルくんは人の不幸を喜んで笑ってしまうクセがある。

 

1月の上旬にぼくが事務所に入った大火くん

(大火くんは、顔も性格もマルマインに似ている。

いつ爆発するかわからないし、本人も悪いと分かっててそれを面白がっている)

を叱ったことがある。

 

それを面白がって、2週間ぐらいずっと会う度会う度に

「いっくんさ、大火くんのこと怒ったでしょ、アレすごい面白かった」

と言ってきていた。

 

このときはスマイルくんとの一日の会話はだいたいこれで終了。

 

最近スマイルくんがこういうこと言うんですよと同僚に話していたら、

ドライバーさんが、それ車の中でもずっと言ってるよと言ったので、

衝撃が走ったのを覚えてる。

 

マジか!? あいつ車の中でも言っていたのか!!

 

ぼくは送りの同乗には乗ったことがないので、

(ぼくが施設内に残っていたほうがみんなの安全性と幸せゲージが高まるため)

どんなワールドが広がっているのか全くわからない。

かなり興味がある。

 

たまに同僚から話を聞くと、マジか!? そんなこと話してんのか!?

と衝撃が走る。

(赤オニちゃんはいっくんと結婚するんでしょ? とか)

 

ちなみにスマイルくんに人生で一番おもしろかったことは? とこの前聞いたら、

「いっくんが大火くんを怒ったこと」

と返答が返ってきた。

あれが人生で一番面白いこととは……。

もっといっぱいスマイルくんを楽しませてあげられるな。

 

人が叱られるのを見ると、楽しんでしまうマズい傾向にあるので、

なんとかしないといけませんね。

 

そんな流れで、最近は

「いっくんさ、この前大火くん怒ったでしょ」

から

「スマップ解散! スマップ解散! アハハ」

になっているのだ。

本人にはあまり悪いという自覚がないので、ちょっとずつ気持ちを教えている。

例えばスマイルくんが勝手に人のオモチャを取ってしまった時、

いっくん「ねえ、スマイルくんがそういうことすると、いっくん悲しい」

スマイルくん「いっくん悲しいの、アハハ、ねえ悲しい?」(超笑顔)

 

だめだこりゃ。

 

でもちょっとずつ相手の気持ちが分かるようにはなってきている。

このまま不幸を喜んでしまうクセを矯正していこう。

 

そして今日。ぼくは自分からスマイルくんに絡みにいった。

いつもひとりぼっちだからなぁ……。

赤オニちゃんやブラックくんがぼくを独り占めするのだ。申し訳ない。

だが今日は赤オニちゃんやブラックくんの申し出を強制的にやんわりと

断って、スマイルくんにちょっかい出してみたぜ!

 

いっくん「やあ、ぼくパーシー。あ、投げないで! あ~骨折れた~!」

(機関車を持って)

スマイルくん「あははは、骨折れた~」

いっくん「クソパーシー」

スマイルくん「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

あれ? これは矯正するどころか悪化しているのでは……??

ま、こういうこともある。

クソラプラスを見習ってクソパーシーとつぶやいてみたら、

スマイルくんはめちゃくちゃツボって大笑いしていた。

あそこまで大笑いしたの初めて見たわ。

 

でも、この一連のやりとりのおかげでスマイルくんの信頼を得たのか、

ぼくがブラックくんと大統領くん(大好きくんだっけ?)

と警察ごっこをしている時、ふだんは自分からアクションを起こして

行動しないスマイルくんが歩いてきて、

「赤信号ムシしちゃお」

と入ってきたのだ!

 

当然警察であるぼくとしては、捕まえてドリルで首やお腹に穴を開けてあげました。

スマイルくん「やめて! アハッ、や、ヤ~ダ~アハハッハ!」

 

いずれにせよ自分からアクションできてよかった。

今日は海面に上がってきたジンベエザメかマンボウ並みに良いものが観れた。

それぐらいスマイルくんは自分からアクションを起こすことが珍しい。

できるはできるけど、あまりしない。

この調子でもっと機会が増えればいいと思う。

 

今日一番のぼくの驚きは、大火くんがおちょくったおかげで

たっくんが怒って走り回っていた時、スマイルくんが

「助けて」とぼくを頼ってきたことだ。

これも珍しい。

というか、ちょっと一緒に遊んだだけなのにそんなに信頼してくれるのか!

大人になった時騙されないように気を付けさせなきゃ。

 

そんなこと言わなくたっていっぱい助けてあげるよ~。

ぼくはきみのことも大好きなんだから。

赤オニちゃんの超高性能バッテリー。モバイル業界衰退の危機!

ぼくと赤オニちゃん

節分も無事終わりましたね~。

それにしてもどうして鬼を追い払うのに豆を投げるんだろう?

豆投げて本気で鬼が追い払えるとでも思っているのかな^^?

なんで剣じゃないの?

昔の人は頭ヤバいんじゃない?

 

とか言ってみる(笑)

 

あれは魔目が変化して豆になったとかだったっけ?

諸説あるみたいだけれど、結局こういうことでしょ。

「豆いっぱいあるしこれ投げれば良くね? オレKASHIKEEEEEEEE」

 

これだ! ※ちがいます

 

さて、そんなこんなでぼくが担当した2月3日の療育活動の豆まきも

無事大成功を収めたのですが、

ぼくは鬼のお面を作った牛乳パックを被ってロボットになって

遊んでいました。

 

パペットマペットの被り物を白くした感じをイメージしてもらえれば

OKです。

 

「ガガ、赤オニちゃんやっつける! スマイルくんやっつける! ガガ

たおす! お腹に穴開ける! キュィィィィィィン」

 

(両手をドリルにして、悪い子は手術して良い子にするから、

お腹に穴開ける! って言いながら遊ぶとけっこう受けが良い)

 

こんなこと言いながら子供たちと遊んでいました。

 

もんもんくんは本気でこのお面が怖いみたいで、

同僚からはホラー映画に殺人鬼として出て来そうとか

ジェイソンとか言われています。

あと妖精ちゃんは本気で泣きました。

ブラックくんは元気すぎて1年生って感じがしないけど、

妖精ちゃんも1年生だもんね。

 

そして段ボールで携帯電話ぐらいの大きさのバッテリー

を作ったんですけど、赤オニちゃんがどうやらこのバッテリーを偉く気に入り、

ぼくは取られてしまいました。

 

赤オニちゃん「こっちだよ~」

取り上げると

赤オニちゃん「あ、返して~、バッテリィイィィィ!」

 

可愛すぎでしょ。

 

再び渡すと

「もう! バッテリーは返しませんからね」

やっぱりかわいい(笑)

 

しかもこのバッテリーは何がすごいかと言うと、

ボタンがついており、赤オニちゃんの設定では

爆弾や針が発射できるのだ。

 

ちょっと待ってくれ。

 

バッテリーとは電池のことだ。

エネルギーを蓄えておくためのものだ。

電力を生み出すだけの機器であるはずなのに、どうして

そこから爆弾や針が発射されるのであろうか。

 

いや待て。赤オニちゃんのやっていることは、実は的を射ているのかもしれない。

お店で例えれば、寿司屋がそうだ。

いまの時代の寿司屋はもう、寿司だけではやっていけない。

ぼくが小学生の頃は回転寿司でケーキが流れるなんて

なんだか変なんて言われたりもしたが、

いまの寿司屋はデザートもフライドポテトもラーメンもコーヒーもあって、

とにかくバラエティ豊かに消費者様の要望に答えなければ生き残れない。

 

つまり!

 

バッテリー業界も、もうただの質の良いバッテリーだけでは生き残れない

時代になっているのだ!!!

そしてお客様のニーズに答えた結果が、

赤オニちゃんの世界では爆弾と針が発射できるバッテリーなのだ!!

 

なんということだろうか。

 

これは恐ろしい時代だ。

ただのバッテリーですら様々な要望に答えなければならないとは……。

本当に恐ろしい時代になってしまった。

一体どこの誰が、バッテリーという電力を蓄える機器に、

そこまでのクオリティを望むのだろうか。

世の中にはいろんな人がいる。ぼくが知らないだけで、きっといるのだろう。

 

そして次の日、このバッテリーは更なる進化を遂げた。

ぼくが赤オニちゃんをふと見ると、

赤オニちゃんはバッテリーを耳に当てていた。

 

 

これは……!?

 

 

爆弾や針を発射するだけではない。

なんと、携帯電話にもなるのだ!!

 

なんということだろうか……。

バッテリーそのものに携帯電話としての機能も備わっているのだとしたら、

これでは本末転倒にも程がある。

 

携帯電話の存在意義とは一体……。

 

そもそもこれはバッテリーなのだろうか?

ここまで来たらむしろ携帯電話といったほうがしっくりくる気がしなくもないが、

あくまでこれはバッテリーである。

バッテリー本体に爆弾と針を発射する機能と、携帯電話の機能が

備わっているのである。

 

これは危うい。モバイル業界の危機だ。

バッテリー業界の進出によって、モバイル業界が衰退してしまう可能性が出てくる。

携帯がなくても、何でもバッテリーだけで事足りてしまう時代が来るのだ。

 

そのうちバッテリーがひとつあれば、

移動もできる。食事もできる。ゲームもできる。会議もできる。戦争もできる。

子供も作れる。なんかエロいこともできる。だれかを救える。

 

そんなことができる時代が、来ないと思いたい。

でも、日本だったら来そうな気もする。

 

バッテリーとは、いったいなんなのだろう。

 

それはきっと、赤オニちゃんにもわからない。

Paper Love Story ピアノオリジナル 弾いちゃった♪

いっくん日記


Paper Love Story piano original

 

夢なんかどこにあるんだよ! いつもいつも、絶望しかないよ。

ジャンヌ!

 

    ――ラベンダー

 

高校生の時、まだ音楽を先生に習ってもいない時に作った曲です。

ねえラベンダー、ぼくが小説を書くことになるって、君は知っていたの?

歌詞の内容、特に2番の歌詞なんて、もろ『ラベンダーさん』の内容だよね?

今のぼくのためにあるような音楽だと思う。

これってすごい奇跡だよ。

 

 

 

ペーパーラブストーリー

 

偶然手にした本のように 突然現れたきみ

見るものすべての形を変えて はじまるよ物語

 

第1章 きみと出会って 恋に落ちます

第2章 もだえ苦しみ 時が過ぎます

 

甘美なセリフ 叙情的な文章

ただの言葉の羅列じゃないみたいだわ

同じとこを何度も 読み返し次を予想

オチはまだまだ先みたいね

 

薄っぺらい紙のように 今にも破れそうな恋(泣)

いつしかぶ厚い愛になるように めくるめく ページ

 

 

 

にじんで 文字が読めない 何が起こったの?

上げた顔 暗い部屋の中 ひとり取り残され

 

強制送還 立体的な世界

感情を消して決められたことに打ちこむ 来る日も

 

 

 

第3章 白いカラスに カボチャのオバケ

第4章 結ばれますよ 感動のフィナーレ

 

オーケストラの 魔笛が響く

いよいよ舞台も佳境に来たみたいね

森、海、砂漠の先の 社交界へ行くの

そーゆう壮大なスケールなの!

 

全世界が待ち望んでいる 完全無欠の大長編

続きを書くのはいつでも私! 思い通りのはず!!

 

 

 

大事なところが白紙なの ここから先がわからない

行き詰った時思い出すキャラは いつも きみ

だから!

 

起承転結を超えて今 新たに始まるラブストーリー

ハラハラドキドキワクワクするよ フィクション じゃあありません

作者の 実体験

第22輪 ペパーミント

ラベンダーさんと黄金のリンゴⅠ サンタの国

だいたい、なんであんな柑橘野郎が人気なんだ?

すぐにでもこのイングランドで一番の精霊になってやるさ!

 

           ――ペパーミント

 

スーツ姿のペパーミントの写真

 

意識を取り戻すと、オレは炎の海の中に沈んでいた。

原子爆弾とまではいかずとも、ダイナマイトの火力でこの威力。

火のエネルギーは好物だが、こんなネガティブなエネルギーは

食えたものじゃない。

霊体がそわそわする。

消えかけのホログラムのように不安定なオレの体は、

上の次元まで飛んで行ってしまいそうな浮遊感を持っていた。

おそらく魂に少し傷が入っている。

辛い。息がしづらい。不快な振動数で体が震えている。

とっさに香りと念で防御できたから良かったが、

もっと傷が深かったら死んでいた。

最悪転生ができなくなっていたかもしれない。

 

(魂に深い傷ができたり壊れたりすると、

転生自体が難しくなってしまう。魂を破壊するエネルギーは

いろいろあるが、代表的なエネルギーは

核やマイナデスアルコール、深い怨念だな。

死んでまで魂の治療に苦労したくはないし、死ぬときは健康に死にたい

by オレンジ)

 

周りを見ると、サンタたちは……。いなくなっていた。

オレの周りでは黒いドロドロした液状のものがいくつも動いている。

いや、まて。……もしやアレか?

サンタたちはもともと、だいぶ体をマイナデスアルコールに侵されていた。

霊として体が半分機能していない状態で、あんな大爆発に

巻き込まれたら、モロにダメージを食らう。

それにしても……おぞましい光景だ。あれは、おそらく生きてはいるだろうが、

ちゃんと転生できるのだろうか?

あのまま死ぬこともできず生きながらえるのだとしたら、

かなり酷だ。

 

オレは考えるのをやめた。あの黒い液状のものに意思や思考があるとは思えない。

もしかろうじて感情があったとしても、あまり考えたくはない。

ただ、自分がああならなくてホッとする。

 

――三太は!?

 

まさか三太もあのどろどろに!?

「三太ァ! 生きてるか!」

炎の中で三太に呼びかけるが、返事はない。

この炎はキツい、今の調子だと持ってあと数分が限界だろう。

それまでに三太を見つけられるか……?

 

アロマ連合のナイトとしての立場。残りわずかな体力。サンタ界の現状。

いまサンタ界の現状を知っていて、ジジイに連絡できるのはオレだけだ……。

 

オレは姿を変えた。残りのわずかな体力を振りしぼって、ハヤブサになった。

ハヤブサは炎の海の中を突っ切って、薄暗い森に出た。

オレは三太を見捨てたとは思わなかった。

しょうがない。

いま一番マズいのは、このサンタ界の現状を外に伝えられないことだ。

三太を助けてオレもおだぶつじゃ、それこそ敵の思うツボだ。

 

そもそも三太は頭がおかしい。

だってサンタ界がこんな悲惨なことになっちゃっているのにもかかわらず、

いまだ世界機密の情報が知られたらマズいなんて言って、救援を求めないのだから。

頭がおかしい。

読者のみんなもそう思うだろ?

さっき見たところ、もう正気を保ったサンタはいなさそうだ。

このマイナデスアルコールの濃度から、おそらく全員頭がおかしく

なっているにちがいない。

こんなサンタ界だったらいくらでも情報や機密文書なんて盗み放題だろ?

それだったらとっとと救援を呼んで、サンタ界を早く立て直して

ガードを強くしたほうがいいだろうに。

今の時点で情報が盗み放題なのに、救援を呼ばないなんておかしすぎる。

ひょっとしたら、三太自身が植物至上主義者だったりしてな。

だれが根でつながっているかなんてわからないし、もしこれが

ミステリーだったら、ありがちな展開だろ?

 

オレはハヤブサの姿から元の姿に戻り、

スマホを取り出してジジイに連絡しようとしたが、

呼び出しボタンを押そうとしたところで……。

 

(ジジイというのはアロマ連合のお偉いさんで、

オレの師匠をふてぶてしく名乗る傲慢な青年だ。

一見若々しい姿をしているが、その実老成していて、

第六文明期でかの『ガソリンツリー』との雌雄を決した戦いは

映画化もされている。会うたびに決闘を申しこんでいるが、

いまだに勝てた試しがない。おいぼれのくせに。

ちなみに部屋のドアを破壊されるとものすごく怒る

by オレンジ)

 

指に、力が入らない。押そうとしても、見えない壁に

ジャマされているみたいに指が進まない。

 

……。

 

そうだ! 礼名契約だ! あの厄介な契約を解除しない限り――

あるいは三太に許可をもらわないと、救援を呼ぶことができない!

いや――もし三太が死ねば……。

契約自体が反古になる。

 

オレだってできることなら三太を助けたい。

結局オレたちはニンゲンの奴隷だ。

精霊として、大人ぶって好き勝手やっているニンゲン共を導く役割を持ってはいるが、

どう生きるのかなんてニンゲンの勝手だ。オレたちは強制はできない。

サンタ共だって、心の中では反ニンゲン派のやつなんてたくさんいるだろう。

それなのに、欲しがるばかりで何も還元しないニンゲン共にせっせと

プレゼントを作って渡さないといけないなんて……。

オレだったら、維管束が煮えくりかえる想いだ。

三太なんて見た目からしてマジメだから、きっと苦労が絶えないだろうな。

ニンゲンの奴隷としてあと何千年も働くぐらいだったら、

いまここで死んだほうが幸せだろう。

それに、契約も反古になる。そうすれば救援を呼べるし、オレが

ラベンダーの部屋に侵入した事実もバレない。

 

……いかん。オレは手で額を押さえた。

どうやらオレも、マイナデスアルコールに体が蝕まれてきているようだ。

三太をいますぐ探しに行こう。 

 

オレは炎の中に飛びこんだ。三太はどこにいる?

 

そもそも、こんな魔界みたいになったサンタの国を

オレと三太とマノンの3人だけで救うこと自体、最初から無理がある。

サンタ共は全員半狂乱状態で、敵みたいなもんだ。

おまけに不気味な生き物もいるし、いろいろとヤバそうな次元だ。

 

サンタ界がこんな事態になっていると知っていたら、絶対に来なかった。

ラベンダーに変態扱いされたほうがまだ楽だ。

 

頭が痛い、視界がかすんで霊視もうまくできないし、何より体がブレる。

自分が動かそうと思っていない方向に、時々手足が動いてしまうことに、

マイナデスアルコールのヤバさを実感した。

 

炎の中やみくもに走っていると、オレは三太を発見した。

三太は仰向けになって倒れていた。

また子供の姿になっている。直撃を喰らったようだった。

「おい、三太」

ひどい傷だ。皮膚は赤黒く焼けただれ、顔が顔の形をしていない。

体が少し溶けている。

三太を見つけて安心したせいか、オレのひざはガクリと崩れた。

力が入らない。呼吸をする度に体内にマイナデスアルコールが

入ってきて、体を蝕んでいく。

もう、三太を背負ってここから脱出するのも無理なようだ。

 

オレと三太はここで死ぬことになるだろうが、

かわいそうなのはマノンだ。

自力で人間界に帰っていくのは難しいだろう。

さっきから姿が見えないが、無事だろうか。

だいぶ離れたところで様子をうかがっていたのは覚えているが、

爆発後はどうなったんだ?

 

オレは自分の選択のミスに気づいた。

三太を助けようと炎の海に飛びこむよりも、

マノンにスマホを渡しておくべきだった。

 

あぁ、もっといっぱい女を抱くべきだった。

あの子もあの子もあの子も、まだ落としていない子が

たくさんいたのになぁ。

 

死ぬ間際に後悔すると、たいていロクなことにならない。

オレは最期の体力を使ってオレンジの香りを空間に

響かせた。

 

暖かくて、冷たい心を溶かすような甘い香りだ。

 

不安が少しだけ薄らぐと、オレは目をつむった。

奴隷仲間同士、仲良く行こうぜ。

小さなサンタよ。

 

頭に歌が聞こえた。メロディーが流れてくる。

どうやら、死後の次元がオレたちを受け入れようと

門を開けたらしい。

 

 

 

冥府の門は開かれた。

湯を沸かせ、料理を運べよ彼の地へと

針が12を刺した時

赤いザクロは地に落ちる

行く年くる年四季折々

 

ちがう、これは詠唱だ!! 誰かが唱えているんだ!

 

「『社交の草』の名において命ず――整えよ」

 

緑色の風が颯爽と新鮮な空気と霊気を運ぶと、

大火事は消え、荒れた土地に命が芽吹いた。枯れ木は花を彩り始める。

 

オレの体と三太の体に霊気が入り、良質なエネルギーが体内で循環を始めた。

助かった! もう少しで宇宙に召されるとこだった!

周りの魔界みたいな世界が、人間界程度にはマシな光景になった。

 

「どうしたオレンジ、らしくないね。

オレンジ伝説はもうおしまいかな?」

 

この嫌味の効いた上流階級風の香りは、間違いない。

やつだ!

 

「ちょっと見ない間にずいぶんと力をつけたな」

「君はちょっと衰えたんじゃない?

これでナイトなんでしょ? 僕がアロマ連合のマスターになる日も

そう遠くないね」

「おい、年上に向かって失礼だぞ!」

「僕のほうが年上だ」

「嘘つけ!」

「僕は大人だけど、君は子供じゃないか」

「姿の話だろ!」

 

まったく、相変わらず口が減らない……。

頭に草冠を被った薄緑色の髪の男性は、

高級なスーツで身を包んでいた。

 

「ペパーミント、どうしておまえがここにいるんだ?」

第21輪 不穏な影

ラベンダーさんと黄金のリンゴⅠ サンタの国

ねえ君たち、その話くわしく教えてくれない?

ぼくのおじいさまが、本物のハーデスじゃないって?

 

          ――ペパーミント

 

休暇中のハーデス

 

魂が燃え上がるような轟音が鳴り、大爆発が森を飲みこんだ。

マノンは爆風で吹き飛ばされていた。

 

体が熱い! 心が痛い!

 

乱れる大気の中、

マノンは落ちないように翼を広げて気流に乗ろうとしたが、できなかった。

激しい風の中では無理に翼を広げようとすれば折れてしまう。

 

そのまま弧を描いて落下したマノンは運悪く背中から

大木の幹にぶつかった。背骨から全身に激痛がと痺れが走り、目がかすむ。

それでもなんとか枝にしがみつくことができたのは、

奇跡だった。

 

マノンが痛みと身体にたまった熱でぐったりしている間も、

森の遠くでは炎が大英帝国のように領地を広げていた。

 

だが、いまのマノンにはそんなことはどうだってよかった。

森が燃えようが、オレンジや三太がどうなろうが、関係ない。興味がない。

 

マノンはやる気が急速になくなるのを感じた。

生きる気力がなくなっていくのが自分でもよくわかった。

 

人間界を救うため、第一次世界大戦のような事態を防ぐために、

こうして幽体離脱をしてサンタ界へやって来たのに

自分は役に立つどころか、足手まといになっていることが悔しかった。

いまだって、オレンジと三太の戦いを空から見ていただけで、

何もできなかった。

ラベンダーとの秘密の特訓中、ラベンダーはわたしにこう言った。

――あなたには才能がある

あのときは浮かれていた。いい気になっていた。

でも、嘘だった。

わたしには才能なんかない。才能ってなに?

霊が視えたり、幽体離脱ができるニンゲンは少ないけど、

上の次元じゃみんな当たり前にできる。

素晴らしい才能があると思ってた。

でも、実際はオレンジの役に立つどころか、足を引っ張ってばかり。

敵が襲ってきたとき、人質に取られたりしたら?

わたしのせいでオレンジが死んでしまったら?

ニンゲンだって差別されたくないよ!

ヤダ! しょせんニンゲンだったって、オレンジに思われたくないけど、

でももうオレンジ死んじゃったしなあ。

どうやって家に帰ろうかなー。

 

マイナデスアルコールのネガティブなエネルギーで、

自分の周波数が下がっていることには気づいてるけど、

このままでもいいかなって思う。

だってわたしがいてもいなくても世界は変わらないもん。

マノンはどんどん自分の世界へと引きこもっていった。

森を燃やす炎が愛おしく感じ、きれいだと思った。

葉っぱのついてない枯れ木ばかりの青白い森は、

OBAKEが出そうで不気味だけど、なんだか美しい。

鳥のさえずりの代わりに、音として聞き取れない程のゆがんだギターみたいな

叫び声が酸素みたいに空気に含まれている世界は、

なんだかとっても刺激的で、うっとりする。

空は赤くて、何かの鳴き声がして、胸が冷たく熱い。

ここで暮らせたら、幸せだろうなぁ。

 

マノンがそう思って目をつむったとき、

強い不快感を感じた。

とてもクサイニオイを嗅いでしまったからだ。

魂から虫唾が走る。なんだこのニオイはと、マノンは咳こみだした。

気分はたしかに最悪だった。

しかし、鼻にまとわりついて中々離れないこのしつこいニオイは、

どこかで嗅いだような、ことが――あるような。

記憶の白い海にはひとつの点があるが、小さすぎて見えない。

もどかしいと思う間も、マノンはこのクサイニオイの正体が分からず

イライラした。

木の枝を強く叩きすぎて、マノンの手から血が出た。

鼻からは鼻血も出ていた。

だめ、どうしても思い出せない。思い出さないといけない気がするのに。

とうとう疲れてマノンは思い出すことをあきらめた。

枝の上に寝そべり、遠くで燃える炎をみつめて、

燃やされるって、どんな感じなんだろう。あったかいし、

もしかしたら気持ちいいかもしれないと思ったとき、

 

――オレンジの香りだ!

 

思いだした。

なんでクサいと思ってしまったんだろうと思ったら、

マノンの目から涙が出ていた。

良い香りのはずなのに。クサいと感じてしまった自分の心が恥ずかしい。

生きなきゃとマノンは思った。

自殺願望に駆られる人を見るように、

ニンゲンとして生きるなんてとっても恥ずかしいことだと本気で思った。

でもどうしてか、恥ずかしくても、蔑まれても、生きなきゃと思った。

ラベンダーに会いたい! オレンジに会いたい! パパに会いたい。 

生きる! 生きる! 生きる!

マノンはがんばって念じたが、数回でやめてしまった。

疲れた。メンドくさい。

 

マノンは目をつむった。

息を深く吸えば、とっても気持ちいい空気が肺を満たしてくれる。

オレンジがいなくても、ラベンダーがいなくても、わたしは幸せ。

あの炎に燃やされるって、どんな気分なんだろうな。

オレンジも炎のエネルギーは気持ちがいいって言ってたし、

わたしも燃やされてみたい。

 

マノンは鳥に変身した。

その姿はとても鳥と言えるものではなかったが。

マノンが変身したそれは、

ギリシャ神話に出てくるキマイラのように、いろいろな動物が混ざり合った

よくわからない姿だった。

 

うなり声をあげて大木の枝から飛び立った魔獣は

重々しい動きで炎の海へと飛んだが、

体があまりにも重すぎて、だんだんと降下していった。

地面を歩く姿にはその土地の主のような威厳があり、

途中、顔のない灰色の人間に囲まれて襲われたりしたが、

何でもできる気分になっていたマノンの敵ではなかった。

自分でも驚くほどのパワーを発揮し、マノンは灰色の人間たちをなぎ倒した。

顔のない灰色の人間は身長が2メートル以上あり、全身が灰色の毛むくじゃらだった。

マノンは最後の一体の首を嚙みちぎって頭を投げると、

ふたたび炎の海に向かって歩き始めた。

 

やっと、さっきの大木から歩いて半分ぐらいのところまで来ると、

後ろから何かが飛んでくるのに気づいたが構えた時には時すでに

遅く、緑色の旋風にマノンは吹き飛ばされた。

変身が解けて人間の姿に戻ったマノンは薄れゆく意識の中で、

だれかに後ろから口をふさがれて、ひどくニガい香りを体内にムリヤリ

吸引させられた。

支援学校の発表会

ぼくと赤オニちゃん

先日、支援学校の発表会に行ってきました。

 

ダンスを踊ったり、劇をしたり、

オリンピックを開いて手作りのボートに乗ったり

カヌーのパドルを持って舞台上の障害物を避けて行ったり、

楽器を演奏したりしていて、楽しませて頂きました。

 

みんっな!! とっても可愛かったです!!!

キュートで、キュートで!!

 

舞台の横の壁には画面が付いていて、舞台上では

時間の都合上できないオリンピックの他の競技の

映像が流れるんだけど、レースでうちの小学4年生のもんもんくんが

バトンを受け取って駆けていく姿が、一番カッコよかった。

おせじではなく本当に。

もんもぉぉぉん!!

すっげえカッコよかった!!

運動が好きな性格というのが、功を奏したんだろうな。

 

赤オニちゃんも、カヌーやフラフープの踊りを不安そう?

めんどくさそう? な顔だったけど、

できていてよかった。

 

正直なことを書くと、発音が苦手な子の言っていることが

よく聞き取れなかったり、催しとしてのクオリティが低いかもしれません。

まったく気にならなかったといえば嘘になりますが、

どうでもよかったです。

障害を持っていても。できることが限られてはいても。

みんな楽しんで練習した演目を披露していたし、

そんなみんなの姿を見るのが、ぼくも楽しくて楽しくて。

 

クオリティは、たいしたことはないです。

例えば劇団四季のミュージカルとか、シルク・ドゥ・ソレイユ

のほうがはるかにレベルは高いけど、

この発表会は、それとは別種の感動がありました。

 

『命』を感じる。

 

障害を持った子たちが、文字通り一生懸命に生きていること。

いま自分が何をやっているのかもわからない子もいるけど、

側で先生に手助けしてもらいながら、それでも楽しんで生きていること。

 

純粋に、すごいと思いました。

障害を何も持たない人たちでも、人生を楽しむことができない人は

たくさんいて、たくさんいて。

ぼくたちは自分の脚で行きたい場所に行って、

自分の目で見たい夢を見ることができるのに、不満ばっかり言って。

 

これも、差別発言にとられてしまうかもしれませんが、

自分は健全な体と脳を持って生まれたのに、

もっともっと頑張れるのに、何をやっているんだろう?

そう想いました。(ぼくの場合、もうちょっと休んだほうがいいのかもしれないけど)

『命』と向き合って生きるのは、彼らのほうが

ぼくたちよりも上手で、ちょっとうらやましいとも思いました。

もちろんぼくだって、今までの人生や転生でいろんな経験をしたはず

だけど、自分の『命』と向き合って生きているけど、

彼らのほうが、ずっとずっと上手。

 

来てよかった。

 

最後の演目は児童全員で流行りのダンスを踊るのだが、

赤オニちゃんのクラスがぼくの座席の斜め前で待機しているとき、

ぼくはなんとか赤オニちゃんに気づいてもらえた。

手を振ると、赤オニちゃんはこぼれるような笑顔を見せ、

しばらくの間勢いよくぼくに手のひらを振っていた。

……演目中よりも元気だな。

もう1回手を振ると、また勢いよくけっこうな間手のひらを振っていた。

先生がちょっとビックリしたぐらい元気だ。

それにしても、親御さんはたくさん来ているのに

どの児童よりも長い時間、元気よく、赤オニちゃん

はぼくに手を振ってくれていたな。

参った。人に好かれるのは苦手なのに。

もんもんも気づいてくれてよかった。

 

最後の演目のダンスが終わり、教室に帰る時、

仕切りの側まで近づいたぼくは、赤オニちゃんに声をかけることができた。

「赤オニちゃん、とってもよかったよ、すごいかわいかった」

すると赤オニちゃんは、笑顔になった。

この種類の笑顔をぼくは知っている。

これは、彼氏がやってきたときの彼女の顔だ。

ま、赤オニちゃんが幸せそうなら、それでいっか。

恋をして、成長してくれ!

 

そういえばこんな言葉があるな。

「女性ピアニストは、男を知って上手くなる。

男性ピアニストは、女を知ってダメになる」

 

恋で赤オニちゃんの世界が広くなるなら、職業冥利に尽きる。

 

この日は、もんもんのお母さんも来ていた。

もんもんの家は、ぼくも詳しくは知らないが、

お父さんもお母さんも家を出て行ってしまい、

いまはおじいちゃんとおばあちゃん、それにおばさんと

一緒に暮らしているらしい。

同僚から「裁判で会ったらダメって言われてるそうよ。

だからこうやって内緒で来てるみたい。わたし、前にもんもんくんを

よろしくって言われた」

 

やめてくれよ! 俺そういう話弱いんだから!

泣いちゃうよ。涙出なかったけど。

去年あたりからぼくの人生はどうも、愛を学ぶ時期に入っているらしい。

 

もんもんくんのお母さんをぼくは、お母さんだなと思った。

ちなみにぼくのお母さんは、裁判所から会ってはいけないと

言われていたにもかかわらず、平気で不倫相手とイチャイチャしていたので、

お母さんってどうしてこんなにも違うんだろう? と思った。

 

ちゃんちゃん♫(オチつけてみた)

大火くん「ねえいっくん、将棋やろうよ!」

ぼくと赤オニちゃん

パズルちゃん「いっくーん」

ブラックくん「いっくん!」

赤オニちゃん「えへへ~」

おーちゃん「ががががが」

 

ちょっと待ってみなさん。

あなたたち、まったく別の遊びをしているじゃありませんか。

同時に話しかけないでください。いっくんはひとりしかいませんよ~。

 

忙しい忙しい。

今日はシャチくんが利用しない日でよかった。

 

今日あったできごと。

妖精ちゃんがなぜか泣いていたこと。

(大火くんは関係ない。妖精ちゃんはよく泣く)

 

ぼくがふとなぜか部屋の隅を見ると、

小学5年生でダウン症のもんもんくんが

一番なついている1年生のブラックくんの顔や頭を

一気に何度も殴っていたこと。その前のやりとりは分からず。

こんな光景初めてみた。ビックリ!

も~うもんもん! 暴力はバツって毎日叱られているでしょ!

そんなんだから最近ブラックくんから「もんもんキラい」

って言われるのよ! 泣いちゃったじゃない!

と言ってももんもんくんはまだ理解できないけど……。

でもおやつの時間にはなかよくとなり同士で座っていた。

もんもんくんの成長段階は、幼稚園に入る前の子ぐらい。

それに対しブラックくんの成長は全然早い。

本当に発達障害なのかと疑いたくなるほど健常者に近い。

去年の12月までは力の加減がわからない

もんもんくんに首を絞められたり、のしかかられたり

とすれちがいの暴力を受けていたブラックくん。

苦しいとかイヤだと自分でも言うことができなかったが、

最近、どうももんもんと遊ぶと痛い想いをする。

痛いのは苦しい、苦しいのはイヤだと認識するようになってきて、

「もんもんキラい」と心の距離が離れ始めている。

まあ、輪廻転生もそうだけど、人それぞれ成長ペースがあるからね。

もんもーん!

しょうがないよ。

すれちがいの暴力でも、ブラックくんにとっては理不尽な暴力でしかないから。

言葉で気持ちを伝えたり、コミュニケーションをとることができたらなぁ。

そう考えたら、ぼくたち大人って、すっごいハイレベルなことやってるんだなぁ。

それこそジャズセッションみたいにね。

 

大火くんになつかれ始めたこと。

今日もモンハンの話をして、しばらく話していたらぼくは

ビーズちゃんにかるたに誘われた。

いっくん「ねえ大火、かるたしない?」

大火くん「え~やだー。いっくんやるの?」

いっくん「だって、誘われたから」

大火くん「じゃあやる」

最初しぶしぶと始めたのに、やったらやったで夢中になっていた。

小学3年年生のビーズちゃんはお正月からかるたに興味を持ち始め、

百人一首ばりの気迫を見せていた。

おやつが終わったあと、活動でテディベアを作るための準備をぼくはしていた。

今日の療育活動はぼくが担当なのだ。

そしたら

大火くん「ねえいっくん、将棋やろうよ!」

いっくん「あ、ごめん、今から活動の準備しないといけないから」

大火くん「え~、やろうよ~」

いっくん「かじさんにやってもらって」

大火くん「かじヤダ~」

いっくん「あ! ふじもんいるじゃん」

大火くん「ふじもんもやだ~」

いっくん「(なんか最近好かれること多いなぁ。大火くんもかぁ)」

なお、いっくんが大火くんから離れたあたりから

大火くんは元気が膨れ上がり、

当たったらケガするような段ボール製の棒を振り回したり、

女性スタッフに馬乗りになって顔をタコ殴りする寸前まで行ったり、

活動時には子猫ちゃんのとなりで堂々とチンコを10秒ちょっと出していた。

それでもまだおとなしかったほう。

 

去年の12月、赤オニちゃんの誕生日にプレゼントしたテディベアを

活動で作ることを楽しみにしていた子猫ちゃんが、喜んでいたこと。

一昨日の活動で自由工作をした際、取っておいてと言われた箱をぼくが

子猫ちゃんに手渡すと、彼女はにんまり微笑んだ。

覚えておいてくれたのね!! とでも言わんばかりの笑顔だ。

そして、ぼくが箱のサイズに合った小さいテディベアを作って

プレゼントすると、彼女はその箱を家の机に飾ると言いだした。

なんか、照れるなぁ。

ちなみに箱は表面が透明になっているので中のテディベアが

鑑賞できるようになっている。テディベアと一緒に発泡スチロールの

細かいものが入っており、子猫ちゃんが言うにはこれは雪の結晶らしい。

よく思いつくなぁ。

帰りに手を繋いでいる時。

子猫ちゃん「ね、あれさ、どうやって作り方調べたの?」

いっくん「ネットで調べたら出てきたんだよ」

子猫ちゃん「それで作ったの?」

いっくん「そうそう」

子猫ちゃん「なんであれ作ろうと思ったの?」

いっくん「簡単だったし、みんながよろこぶと思って」

子猫ちゃん「ネットでさ、なんて調べたの?」

いっくん「テディベア、作り方で出てくるよ」

小学六年生の子猫ちゃん、めちゃくちゃ喰いついてきおる。

 

活動の反省点としては、工作が好きな子はすんっごい想像を働かせることが

できたけど、低学年の子たちからしたら、ワタ変わりの新聞紙を模造紙で包む

工程が難しかったところ。あとやることがちょっと多いし複雑だったな。

そこを踏まえてまた次に生かそうと思う。

でも、万人のためになる療育活動はないし、

どんなものでも療育活動になると言い換えることもできるから、

たまには慣れないことをやってみたり、ふだん考えない領域を考えてみること

にもチャレンジするのは良いことなんじゃないかな。

いっつもそればっかりだったら苦行だけれど。

みんなが達成できたらぼくたちももちろん嬉しいけど、

できるできないが目的ではなくて、やってみて経験すること、楽しいという

気持ちが一番大切だと感じました。

 

子猫ちゃんなんか活動中、側のスタッフじゃなくて遠くのテーブルで教えている

ぼくに「いっさーん、教えてー! いっさーん!」

とずっと連呼してたし。

 

そんな感じですな。

 

それにしてもさいきん赤オニちゃんの視線がすごいな。

どこかでかまってあげないとな。

もういっくんと遊ぶのも予約制にしようかしら。

そんなことを思ってしまう今日この頃。

あしたは赤オニちゃんとビーズちゃんともんもんくんとおーちゃんの

学習発表会だ! 楽しみ~。

 

あと最近トーマス見たけどエンディング・テーマ見てたら、

施設の子供たちが脳内MADで流れてくる。

ソドー島みたいに事故ばっかりですよ(笑)

最後には教訓を学んでくれるといいんですが。

子供と信頼関係を結ぶには、部分的でもいいからまずは信じてあげること。

ぼくと赤オニちゃん

昨日は大火くんが来た。

朝のミーティングの時、スタッフは絶対にひとり大火くんに

ついてくださいと管理者から言われた。

衝動的に何をするのかわからないし、誰かがケガをしてしまうかもしれないし、

壁か何かが壊れるかもしれない。

 

だが、そんな事態にはならなかった。

昨日の大火くんはむしろ、その逆だった。

 

一昨日の来室時に大火くんはモンスターハンターが大好きという

ことを知り、意識したわけではないが(むしろ忘れていた)、

ぼくは自然と大火くんとその日会ったときから、モンハンの話をして

盛り上がっていた。

 

教室に着いてもずっとモンハンの話を1対1で

ぼくと大火くんはして、その日は終わった。

大火くんの目はキラキラしていて、機嫌がすごく良かった。

 

なにより感動したのは、悪いことだとわかっていても

衝動的に人を傷つけてしまう大火くんが、

春くんとシャチくんの喧嘩を仲裁したことだ。

事の始まりはこうだ。

 

春くんはひとりで人生ゲームをして楽しんでいた。

そこにシャチくんが入ってきて、オレもやりたいと

春くんのコマを勝手に取ってスタート地点に戻してしまったのだ。

小学1年生の春くんは「ぁあ~、やだ~!」

小学3年生のシャチくんは「だめ! はじめっからやるの!」

シャチくんは名前のとおり無邪気で元気がありあまっているし、

年齢的にもシャチくんは力が強いので、力ずくのケンカになったら

春くんは一方的にやられてしまう。

ぼくがモンハンの話をやめてケンカを止めようとしたら、

5年生の大火くんがサッとこういう言ったのだった。

「おい春は一年生なんだからやめろよ!」

 

うぉぉぉおおおおおおおおお!!!

感動したよ大火くん!!

 

いっくんは間違ってた!! いっくんが悪かった!!

そういうことができる子だったんだ!!

ぇぇぇぇええええ!!

ごめん大火くん、本当にいっくんが間違ってた!!!

うわぁぁぁぁぁぁ。

もうごめんなさい!! 反省します!!

いっくんは気づきました!

 

子供と信頼関係を結ぶには、まずは信じてあげることだと!

 

考えてみれば、ぼくは施設という限られた空間、決まった時間内での

大火くんしか知らない。

施設内だけでしかその子のことを知らないのに、

(それでだいたい――いや、半分以上まで理解できる子もいるけど)

理解した気になってたよ。

 

気づかせてくれてありがとう!

(でも、女の子の前でチンコ出したりマンションの管理人に

ケンカ売るのはやめて。かなり目をつけられているから)

 

ではもう一度感動の言葉を繰り返してみよう。

大火くん「おい春は1年生なんだからやめろよ!」

 

その言葉を妖精ちゃんにも言ってあげればなぁ……。

妖精ちゃんというのは「にゅ」が口癖の1年生の女の子。

大火くんがバットを勢いよく振り回したり、

部屋の半分を占領したドッジボールで

飛んできたボールがかすめたり、

大火くんの暴れっぷりに刺激されたりして

しょっちゅう泣いてしまう女の子。

 

大火くん「へ! 泣き虫妖精!! おまえってすぐ泣くよな!」

いっくん「まだ妖精ちゃん1年生なんだよ!?」

大火くん「知らないね。知らなーい」

 

あの大火くんが、

「おい春は1年生なんだからやめろよ」

いや感動だわ。感動しかないわ。

 

 

 

でもこの日、大火くんは本当はもっとイライラを周りにぶつけていても

おかしくはなかった。

 

この日ぼくは、管理者の車に同乗して1年生の春くんと星くんを

学校に迎えに行っていた。

そして施設へ戻る途中、社用携帯が鳴った。

他の教室の人からだ。

どうやら人出不足で、同乗にひとり貸してほしいと。

基本的にはドライバーだけで子供たちを送迎することはない。

もし子供たちがケンカになった場合、何かイタズラをした場合、

止める人がいないからだ。

ただこの業界は人手不足なので、児童の特性をみて

静かな子たちなら、やむなくひとりだけで行く場合もある。

(ホントはダメだし、できるならスタッフがもうひとり同乗する

べきだが、しょせん理想である)

 

そしてぼくの所属する施設のエリアには、同じ会社の他の教室も

密集しているので、車を節約するために各教室で、

他教室の子もいっしょに車にのせて、それぞれの施設へ連れて行くのだ。

 

さっき電話をかけてきたスタッフは、そのスタッフの教室の子と、

うちの大火くんを迎えに行く予定なので、

本日の大火くんの様子を考えると、

やはりぼくは天に味方されているらしい。

もしこのとき、ぼくが大火くんを迎えに行っていなかったとなると、

……ま、妖精ちゃんが泣いたり、シャチくんが

チンコ蹴られたり背中に何度も肘鉄喰らったりしていたかもしれない。

 

そしてぼくは15時20分には、大火くんを迎えるために

学校の昇降口に立っていた。

しかし大火くんはなかなかやってこなかった。

……おかしい。確かに送迎表を見る限り、15:20分に大火くんの

クラスは帰りの会を終えるので、出てくるはずなのだ。

しかし来ない。

もう35分を過ぎている。

今日はこの学校が最後だったから良かったものの、

もしまだ他の学校に迎えに行かなければならなかった場合、

かなり怖い。

ひまわり学級や仲良し学級だったら先生が児童と手をつないで

出てきてくれるからいいが、

普通級だったらマズい。児童がひとりで門まで来て、車を待つからだ。

ケースとしては、待ちくたびれた児童が

そのままどこかに行ってしまうこともあるらしい。

あるいは、今日は何もない日だと勘違いして家に帰るとか。

 

けっきょく大火くんが出てきたのは、

40分近くになってからだった。

大火くんと一緒に出てきた先生に訳を聞くと、

5時間目の授業を一切受けず、ずっとチャンバラごっこをしていたらしい。

それでキツく叱られた上に、

ちゃんと帰りの挨拶ができるまで残らされたと。

お―――い!!大火ァ! なにやってるんだぁぁぁ!??

 

大火くん「言っとくけど遅れたのこいつのせいだからね、オレ悪くない」

いっくん「先生に向かってこいつって言わない!(おまえはオレか!)」

先生「本当にすいません」

いっくん「ほら、先生にバイバイって言って(言葉間違えちゃった)」

大火くん「バイバイ」

いっくん「さようなら」

 

そしてぼくらは、

5分間はタダになるコインパーキングに出たり入ったりしていた

車へと向かった。

(会社からちゃんとお金は出るのだが、1か月の療育活動で使える

お金が2000円と決まっているため、こういうところで

うまくやりくりしているのかもしれない。

だから折り紙もビーズもガムテープも、

子供たちにあまり多くは使わせてあげられない)

 

そして車の中で大火くんとぼくはモンハンの話をしていた。

大火くんはモンハンの4を近所のゲームショップで

10個も大人買いしたらしい。

ひとつ560円だから、約5600円。

遊んでいるときに友達に貸して、通信するんだと。

賢い。

しかもいまのモンハンは、40人のプレイヤーでモンスターを討伐に

行けるらしい。ぼくが高校生の頃は4人までだったのに。

最近はすごいなぁ(ぼくがこんなセリフを言うとは)。

マンションの入り口を入ってエレベーターに乗り、2階の施設に

行くまでの間、大火くんとは絶対に手を離さないように

管理者から言われているが、ぼくは大火くんと

手を繋がなかった。

車の中でモンハンの話をしていた時間は15、6分ぐらいだけれど、

大火くんを信用するには十分な時間だった。

それに大火くんも夢中になって、

マンション内でモンハンの話をしていたので、

ぼくは手を繋がなかった。

犬みたいに彼を繋いでおくのはもうイヤだからだ。

もちろんこれで大火くんが急に走り出して何かイタズラを

したら、ぼくのせいになるけど、

児童との関わりはケース・バイ・ケース。

そのときの状況やその子の特性にもよるし、

あえて自由にさせてみることも大切だと思ったのだ。

あれもダメ、これもダメでなにもかも縛りつけたら、

反発もすごいよ。そりゃあ。

できるところまでは、自由にさせてあげたいと感じた。

 

そして教室に着いたぼくたち。

ちなみに今日の療育活動はおやつ選びで、

テーブルの上に並べられたおやつを4つ選ぶことができる。

大火くんは列に並んでいるときも、問題を起こすことはなかった。

ぼくは大丈夫かなと心配したけど。

そして帰るまでの1時間、ぼくたちは、モンハンの話をした。

今どきのモンハンって、進撃の巨人の調査兵団みたいに

ワイヤーで空を飛んだりできるらしい。それすごくね!?

 

帰りのあいさつをするとき、妖精ちゃんがこう言った。

妖精ちゃん「今日は遊べなかったね」

ぼく「そうだねー、ごめんね(君が泣かなくてよかったよ)」

妖精ちゃん「あしたは遊ぼう?」

ぼく「うん、あした遊ぼうね(ごめんね、明日も大火くんに付きっ切りなんだ)」

 

児童が帰ったあとに、

先輩スタッフたちからぼくは褒めちぎられた。

「今日は大火おとなしかったね、なんで!?」

「いっくんすごーい!!」

ぼくはもちろん調子に乗ったとさ。

 

おしまい。

 

大火かわいい!

「みんな! いっさんはひとりしかいないから!! 手ぇちぎれちゃう!!?」

ぼくと赤オニちゃん

昨日の施設でのできごとだ。

ぼくは窓から空を見上げていた。

おやつの時間も終わりかけの頃だ。

すると、ブラックくんがとなりにやってきた。

そして、おやつを食べ終わった赤オニちゃんも

たったったっと腕を動かさない可愛らしい動きでやってきた。

 

ブラックくん「ねえいっさん、抱っこして」

ぼくの左手をひっぱる。

いっくん「いまみんなおやつ食べてるからだめ」

赤オニちゃん「逮捕します、牢屋に入ってください」

ぼくの右手をひっぱる。

 

ブラックくんはぼくの次に、赤オニちゃんとの心の距離が

近い児童だ。冬休みのサメごっこの中で生死を共にしたからか、

赤オニちゃんはブラックくんのことを信用している。

(もちろんサメはぼく)

 

ブラックくんがぼくの左手を引っ張り始めたため、

刺激された赤オニちゃんもぼくの右手を引っ張り出した。

「うぉぉぉおおおぉぉお、イタイイタイイタイ(笑)」

ちぎれる、ちぎれる!

 

ブラックくん「赤オニちゃん、手ぇ離して!」

赤オニちゃん「うぅん!」

 

いっくん「ふたりとも、ちょっとまって――」

パズルちゃん「センセ、何やってんの!?」

いっくん「いっさんの取り合い」

パズルちゃん「腕切っちゃお」

いっくん「痛タタタt!」

何やってんだパズル!!!!

パズルちゃんはチョップの形でぼくの手を切り始めた。

パズルちゃん「センセ! 面白い!!!」(大興奮)

いっくん「おもしろくない!(笑)」

パズルちゃん「なんで?」

いっくん「なんでだろーね?」

パズルちゃん「ブラック、手伝うよ!」

 

ブラックくん、パズルちゃん VS 赤オニちゃん

 

そしてこの騒ぎは、ひと部屋の施設では瞬く間に知れ渡っていった。

 

大好きくん「何やってるんですか⤴ いっさん大好き!」

いっくん「いっさんの取り合いだよ、助けて」

パズルちゃん「大好き、こっち、手伝って!」

やめてくれよ!!!

大好きくん「赤オニちゃん、いっさん取らないでよ!」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん VS 赤オニちゃん

 

いっさん「ねえちょっと、赤オニちゃんひとりなんだけど! 

女の子だからさ――」

 

金さん(スタッフ。元おすもうさん)「何やってんの? 俺も混ぜてよ」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん、金さん VS 赤オニちゃん

 

赤オニちゃんすげーな! よく持ちこたえてるな!!!

ま、ぼくが赤オニちゃん寄りに体重をかけているんだけど。

うでイッタッッッ!!!!?

 

シャチくん「あー、ズルい、オレもやるぅ!!」

シャチくん来ちゃったよ。

パズルちゃん「シャチ、こっち!!」

いっさん「ちょ、待って、人多いからッ!!?」

シャチくん「おらおらおら!!」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん、金さん、シャチくん

 VS

赤オニちゃん

 

ちょ、みんな。待って!!!

 

いっくん「みんな! いっさんはひとりしかいないから!! 

手ぇちぎれちゃう!!?」

 

最終的にはブラックチームにいっくんと赤オニちゃんがずるずる

引きずられたので、金さんが赤オニちゃんチームに入って

圧倒的勝利を収めました。

金さんも、ブラックチームにいるときはほとんど力を入れず。

 

なおシャチくんはその後、何回戦目か忘れたけど赤オニちゃんの

腕を何度も叩くという反則をしていっくん綱引きに勝とうとしたので、

厳重注意しました。

 

熱かったなあ! 

教室中に瞬間速度過去最大で一大旋風を巻き起こし、

その日ヘルプに来ていた女性の人が笑ってたよ。

窓際のいっくん綱引きのところだけ、世界が違ってた!

オーラがめちゃくちゃ黄色に輝いて視えてた気がする。

 

すっごい楽しかった!!!!

一、ニを争うぐらい楽しかった!!!

 

あばよ。

子猫ちゃん「あたし大火ヤダ! 嫌い!!!」 いっくん「」

ぼくと赤オニちゃん

今日は、治安があまりよくなかった。

大火くんが来たからだ。

大火くんは暴れん坊の小学5年生で、

物を壊す、他の児童の遊んでいるところに突っ込んで

オモチャをめちゃくちゃにする。

大人に叱られてもそれすら駆け引きのように楽しむ、

施設一番の問題児だ。

女性のスタッフは特にナメきっており、叱られたら顔にツバを吐いたりする。

 

一番すごかったのは、あれだ。

マンションの待合室のソファの上に土足で乗っかり、散々跳ねまわって

「捕まえてごらーん(笑)」と先輩スタッフの女性を挑発していたところを

管理人に視られ、施設の責任者が呼び出されて雷を落とされたことだ。

 

ぼくはそのことをあとから聞いたが、

ある日マンションの1階からエレベーターに乗るまでに

「おい管理人! 出て来いよ! 俺のことを怒ってみやがれ」

とまあまあ叫んだので、

腕をつかんでいるぼくとしては冷や汗が止まらない。

 

でもこういう子ほど大人になった時しっかりしていたりするので、

そこだけは大火くんに希望を持っている。

 

事務所に入ってはいけないと分かっていて入るので、

3週間前に大火くんのことを人生で一番キツい声でキツくキツく叱ったら、

微妙に少しだけいっくんの言うことを聞くようになった。

 

その件は、スマイルくんというよく笑う子がいるのだが、

彼の人生の中で一番面白かったらしい。

3週間前から現在進行形でずっと会うたび会うたび、

「いっくんさ、大火くんのこと怒ったでしょ、あれ面白かった」

と言ってくる。

今日もスマイルくんを学校に迎えに行ったとき、

「いっくんさ、大火くん怒っているときの声がおじさんに似てたw」

と言っていた。なーに言ってんだか(照)

 

スマイルくんは施設でポケモンの本か東京超詳細地図を

ずっとひとりで読んでいるので、

ぼくとスマイルくんの会話は、「大火くん怒ったwアハハ」

の話題で終わるのだ。不思議なぼくら。

 

ぼくが大火くんを難しいと思うところは、

ウソつきで信用ができないが、本当のこともたまにちゃんと言うところ。

だから、当たり前だが、大火くんが最初から悪いと決めつけてはいけない。

(悪くなかったことがほとんどないが)

 

でも厄介なのが、大火くんは被害妄想が強く、先述のようにわざとウソを

吐く場合もあるが、ありのまま起こったことを話すことが苦手で、

本人も間違っているという自覚がないまま事実とちがうことを言うので、

大火くんのことを叱るときは、最初から最後まで目を離さず

見ていないと下手に叱れない。

厄介、厄介。

 

今日も6年生の子猫ちゃんが頑張って作ったオモチャのキッチンセットに

並んだ料理の数々を半分ブッ飛ばし、3年生のシャチくんに腹パン

し、さらにヒザでチン蹴りを喰らわせた。

理由を問いただしたら、

大火くん「攻撃してきたから」

シャチくん「攻撃してない、ぶつかっちゃっただけ」

大火くん「でも謝ってない」

シャチくん「ゴメンって言ったじゃん!」

大火くん「聞こえない」

いっくん「どうしてシャチに謝らせようとするの?

大火だってさっきキッチンセットブッ飛ばして

子猫ちゃんに謝んなかったでしょ! それはおかしい」

大火くん「なにが? 俺はおかしいと思わない」

 

(スマイルくんはこのやりとりを見て喜んでいた。本当に)

 

どこかから受けたフラストレーションを、施設の子で発散する傾向が

あるので、いっくんとしては次の大火くんの利用時には。

 

大火くんの理不尽な暴力からみんなを守るため、指導員としての顔を捨て、

完全な警備員として動こうと思う。

いっくんと遊びたいって子たちはいっぱいいるけど、

遊ばない!! いや遊ぶけど。

いっくん担当の児童はちょっと他の人に見てもらって、

いっくんは大火係になる。いっくんが仲良しの子(全員)と遊んでいる隙をついて

大火くんは破壊したり暴力振るってケガさせちゃうんだから。

 

でもいっくんは大火くんとももっと仲良しになりたい。

だってまったく分別のつかない子じゃないし、

元気なのは彼のいいところだから。

ただ、ストレスを他人で発散するというよくない傾向があるだけで。

(なーに、舛添都知事のおっちゃんに比べれば、ちょっとやんちゃな聖人さ)

彼が見ている世界は、赤オニちゃんやブラックくんよりも広いのだ。

だから、この施設では窮屈なんだろうな。

大火くんは悪いところもあるけど、

いいところもあって、えっと、お外だと分別がつくところですね。

あと元気。風の子――いや、嵐の子。

 

あーあ、大火と一緒に外で野球とかサッカーできたらいいのになあ。

あの限りある施設の空間だと、大火もストレスなんだろうな。

ま、社会性を伸ばすという点ではいいんだろうけど。

「あなたは悟空ね」 ブラックくんとの戦いごっこ 「早く高校生になりたい」

ぼくと赤オニちゃん

 今日の登場人物

 

ブラックくん

戦いごっこと消防車が大好きな一年生。イケメン。

青色にこだわりを持っており、青いコップじゃないとすねて

うがいをしない。

週5日施設を利用している。

最近くちびるや舌を震わせられることを覚えたのか、

ぶrrrrとよく震わせている。

(激カワイイ)

口癖は「見て!」 

 

いっくん

霊感が多少あり、いろんなことを経験している。

見た目や行動は若者だが、中身は老成している。

正直なことを書くと、一部の品のない大人にはなに大人ぶってるんだろう?

自分の前世も知らないクセに。

と時々思ってしまうぐらいには、価値観が多様。

(ぼくの精神レベルは中学生かもしれない)

まだまだ発展途上の若者。

 

上の自己紹介を書いてみて思った。

ブラックくんの紹介と比べてなんか、荒んでいるので書き直し。

 

いっくん(改)

児童に人気者のお兄さん。

ときどきまったく別の遊びをした子たちから

同時に話しかけられるため、聖徳太子状態になる。

(だいたい3人ぐらい)

最終的に相手にされない児童はすねる。

児童たちによく両手を引っ張られる。

「いっくんひとりしかいないから! 取り合いはやめて」

 

よし、ほのぼの感が出たな。これでよし!

 

ブラックくんとの出会いはどんな感じだっただろうか。

2か月前のことなのにもう思い出せない。

 

ブラックくんは戦いごっこが大好きで、しょっちゅう戦いごっこをねだまれる。

たしか、初めて会った時も戦いごっこをして遊んだように思う。

 

戦いごっこ。みなさんはどんなイメージを持たれるだろうか。

たたかいごっこ。

こう書けば可愛らしいだろう。

しかし戦いごっこを軽んじてはいけない。

たたかいごっこは力の加減がわかる大人同士がじゃれ合ってするもの。

戦いごっこは、本当に戦い。力の加減がわからない児童がするもの。

 

最近でこそ若干、ブラックくんも加減がわかるようになってきたかな?

と思って興じていると、ドカンと一発重いのが来るから油断ならない。

 

でもぼくも、楽しんで戦いごっこをしている。

大丈夫。ピアノを弾くよりは疲れない。

疲れるって言ってるようなもんか(笑)

でも気持ちのいい疲れ。

いろんなお仕事をして社会のいろんな面を見てきたけど、

こんなに気持ちのいい疲れはこの職場でしか味わえないと思う。

疲れって書いてるけど、疲れる感じはしない。

充実感だ! そうだ充実感だ。

 

ブラックくんは戦いごっこが大好きで、

よくドラゴンボールのキャラクターになりきって

遊んでいる。

 

戦いごっこが始まる前にブラックくんが

よく言う言葉は

「いっさん! あなたは悟空ね」

戦いごっこが始まってブラックくんが言う言葉は

「おれはブラック」(低く出した声がかわいい)

そして腕を組んでいる。

 

ブラックくんはブラックの他にもベジータになったりする。

ぼくは悟空かザマス。

それで、テンションが高くなった時には

ブラックくんとぼくはフュージョンをするほどの仲。

 

ぼくがふざけてジャイアント・スイングや逆ジャイアント・スイングを

やってしまったがため、やってとねだまれるが、

ぼくとしては万が一ケガをさせてしまったときの責任が取れないため

頑張ってダメと言っている。

(ちなみにぼくは幼稚園に入る前、親父にふざけて

ジャイアント・スイングで吹っ飛ばされ、偶然開いていたガラスのトビラの

角におでこをぶつけ、眉間に一生消えないキズを作りました。

反省しています)

 

ふだん接している分には発達障害を感じさせないほど元気な児童。

 

 

 

「大きくなったら、いっさんといろんなところに行きたい」

ふたりで窓の外を見ていたら、ブラックくんはふとこんなことを言うのだった。

まだ入って一か月も経たない新人にはもったいない言葉で、

ぼくは心がうるっとなってしまった。

 

週4、週5で一日数時間を同じ部屋で共にしている。

たったそれだけで、一か月前も経たないうちにキズナって結ばれるのだろうか?

そう思うくせに、ぼくはこの質問の答えをすでに知っている。

大人とこどもでは、時間の流れは同じではないのだ。

こどもの時間は信じられないほどゆったりしており、

同じ時を過ごしても、こどもの体感時間は

ドラゴンボールの精神と時の部屋なのだ。

だからこそ、こんなありがたい言葉を言ってもらえるのかもしれない。

 

実際、幼稚園の頃ぼくの一日は途方もなく長くて、

「いっくんホントに大人になれんのかな? ずっとこどものままなんじゃないの?」

と半ば本気で思っていた。

今で考えれば、3日分ぐらい一日が長かった。

ピアノを弾いたり『ラベンダーさん』を考えたりしているいまは、

あっという間に1日1日が過ぎていくから信じられない長さだ。

もうぼくは、ジャネーの法則でいうと

人生の体感時間の早さの半分ぐらいのところにいるから、

おじいさんになったらいまの2倍弱は早く感じるんだ。

ひぇ~。

 

すぐ転生しちゃうよ。

 

だからこそ、大人よりも子供の『いま』って本当に大切。

自然のようにかけがえのない資源。

 

ま、大人は大人で一晩お酒を酌み交わせば、

友だちになれますケドね。

わたしの友だちの敷居はかなり低い(笑)

 

ブラックくんは先述の言葉のあとに、こんなことも言った。

「早く高校生になりたい」

「どうして?」

「高校生になったら、ひとりでいろんなところに行けるから」

「中学生でも行けるよ」

ブラックくんはぼくを見上げる。

「ほんとに?」

 

ブラックくんのお父さんはいるのかいないのかわからないが、

お母さんは週6日で働いており、ブラックくんも赤オニちゃんと同じく

週5日、施設を利用している。

まだ一年生なのに、どうやらブラックくんには

この部屋は少しばかり狭いようだ。

ごめんね、そこはいっくんには何ともしてあげられないんだ。

でも、ブラックくん、彼は……

そのうちドラゴンボールの孫悟空が如く、

晴天のように一気に視界が開ける日が来ると思う。

ただ、それはもう少しあとのおはなし。

 

さてと、今日もブラックくんと戦いごっこをするぞ!