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のほほんほわほわ

植物擬人化小説『ラベンダーさん』が読めます

隕石降ってきた!!

今回の登場人物紹介

スマイルくん「スマップ解散! おめでとぉぉぉ!」
小学6年生。アスペルガー症候群。非常にマイペース。
好きな本はポケモンの本と東京超詳細地図。

大統領くん「ドナルド・トランプも田谷野さん大好きって言ってたよ!」
嘘つけよ(笑)
小学4年生。軽度の発達障害。最近サッカーを習い始めた。
フィリピン人と日本人のハーフで男が大好き。
1日数回は「田谷野」と呼び捨てにする。

ブラックくん「あはははは! 見て! 見て! ねえ見て、田谷野さぁぁぁん」
元気な小学1年生。かなり軽度の発達障害。ほぼ普通の子。
赤オニちゃんが心を許す男の子。消防車のはしご車が大好き。

赤オニちゃん「キャー! きゃー!」
小学4年生。広汎性発達障害。最近漢字に取り組み始めた。
ぐでたまとかすみっこぐらしが大好き。
妖精ちゃんと子猫ちゃんに嫉妬中。

妖精ちゃん「抱っこして」
小学1年生。家庭のゴタゴタで施設を利用。
将来の夢はフィギュアスケーター。

子猫ちゃん「引っかくに決まってるでしょ!」
小学6年生。知的障害。体温の調節が苦手。
可愛いの女の子大好き。二週間前からタヤノンとバンドを組み始めた。
「今日も練習するんだからね! わかった?」
インフルエンザになってしまったため、ウインタースクールで
新潟へは行けなかった。残念。

ぼく「引っかくに決まってるんだ……」
最近嬉しかったことは、他の教室の子に「金髪イケメン」と連呼されたこと。
しかし鏡を見ると……。
うーん。
ポジティブに行こう。まあ普通の人。
同世代からの受けは普通だが、老人受けと子供受けは自慢できると思う。


本日最初に教室に来室したのは、同じ学校の
スマイルくん、大統領くん、ブラックくん。

最近スマイルくんは「スマップ解散おめでとぉぉぉ」
と言わなくなっていたのに、なぜか今日、スイッチが入ったように言い始めた。
ぼく「人の不幸を喜ばない。ファンの人に言ったら怒られるよ」
スマイルくん「怒られる? どんな風に怒られるの?」
ぼく「刺されたり海外に売り飛ばされたり」
スマイルくん「ホントに! じゃあ、スマップ解散おめでとぉぉぉ! アハハ」
ぼく「知ってた? タヤノン本当はスマップのファンなんだ。
はい体売り飛ばしまーす!」
スマイルくん「アハハハハ、やめ、やめて、アハハハハ」

この海外に売り飛ばしますごっこを10分ぐらいやっていた。

スマイルくんも本当はわかっている(と思いたい)はずだけど、
彼なりのふざけ方だと思う。
アスペルガーの彼は人との関わり方が本当に苦手で、
他児ともほとんど関わることができない。
ほとんどひとりで本を読んで過ごしている。
だから「スマップ解・散! おめでとぉぉぉ!」というのは、
彼なりの言葉で「ぼくと遊んでよ!」って言っているのだと思う。

ぼく「もう東京湾に沈めまーす!」
スマイルくん「沈めるってどういうこと?」
ぼく「(マジか……)息ができない状態にするってこと。死んじゃうの」
スマイルくん「ほんとに!? やったー、スマップ解散おめでとう!!」
ぼく「あ! はいもう東京湾に沈めまーす!」こちょこちょこちょ
スマイルくん「やだぁはははは! やめ、やめてください!」

このあとあまりにもしつこく
「解散おめでとう! ねえ、田谷野さん、スマップ解散して嬉しい?」

と言うので、
ぼく「じゃあ、新しくスマップ作ろっか。メンバーは……」

大火くん
善悪の区別はつくが、我慢が苦手で思ったことをすぐにする。
荒ぶる猛者。小学1年生の時すでにワニワニパニックでスタッフを
病院送りにしたり、小学6年生を泣かしていた。
小学5年生になった今ではだいぶ落ち着いているらしいが、
教室のカメラを隠したことを疑われ、持っていないと
子猫ちゃんの前でチンコを披露。
他にも、学校の友達と手に殴っていいよと言ってふざけていたら
すり抜けてしまい、顔にパンチされて切れたりする(苦笑)

もんもんくん
小学4年生。ダウン症。
意思の疎通は少し難しい。不機嫌になると友達に
顔面パンチ( ・д・)⊃)・O・)
本能で生きる。運動が大好き。

シャチくん
ADHDの小学3年生。
前にオモチャを取られたことを根に持ち、
もんもんを標的にする。
絵に書いたような典型的なADHDで、静かにするのはまだ難しい。
シャチのように無邪気。もとい残酷。

ブラックくん
問題行動が見当たらない……。
元気で明るい一年生。

ぼく「これにスマイルくんね」
スマイルくん「このメンバーやだぁ! ヤダ! ねぇ、田谷野さん、やめて」
ぼく「はい、スマイルくんは新しいスマップのメンバーです」
スマイルくん「ねぇヤダ! 田谷野さんごめんなさい! やめて! ヤダヤダヤダ」

本気で嫌がるところをぼくは初めて見た。
ちょっと遊ぶ分にはいいけど、あまりにも度を超して「スマップ解散おめでとう」
といった時には「はい! 新しいメンバーに入れまーす」
と言おうと心に思ったぼくであった。

いい方法だな。叱ることがあまり効果ない子だからなぁ。
注意はもちろんするけど。

 

このあとはぼくはブラックくんと大統領くんとサッカーをした。

大統領くんはコーチ役で、ブラックくんとぼくは選手だった。

大統領くん「はい体操始めまーす!」
ブラックくん「寝ちゃお!!」
ぼく「コーチ、寝てる人がいますけど!」
大統領くん「おい、ちゃんとやれよ! はい、体操しまーす!」
ブラックくん「走っちゃお!」
ぼく「コーチ、あの人走ってますけど」
大統領くん「おい何走ってんだよ! いま体操時間だぞ!
はい、それじゃ、今度はあそこにシュートしまーす」
ブラックくん「シュート! シュート」
大統領くん「おいオレに当てるんじゃねえよ!」
ぼく「コーチwwしっかり指導してくださいよwww
ぐだぐだじゃwwwないですか」

大統領くん「あそこにシュートするんだよ!」
ぼく「シュート!!」
大統領くん「田谷野ナイス!! オレも入った!!」
ブラックくん「疲れたので寝まーす」(防災頭巾と毛布を持ってきて)
ぼく「ちょっとコーチwwあの一年本気で怒ったほうがいいんじゃないですか?」
大統領くん「おい、ゴール前で寝るんじゃねーよ! おい!!」
ぼく「もうwwwメチャクチャじゃんww コーチしっかりしてくださいよww」

そしてぼくもブラックくんと一緒に寝ると。
大統領くん「ブンブンハローユーチュ~ブ!」
ぼく「なんでユーチューバーが起こしに来るんだよ(笑)」

文字に起こすとけっこうあっさりした感じになってしまったが、
実際にはもっと濃かった。ホントにコントみたいだった。

それにしてもブラックくんはすごいと思う。
小学一年生でもう、ふざけ方が分かっているのだから。
分からない子だっていっぱいいるんだもん。
本当にすごいと思う。

 

この後は妖精ちゃんに絵本を読んであげた。
「とっとこトマちゃん」と、
「とっぺんのとけい」

妖精ちゃん「とっぺんって変な名前」
ぼく「そうだね(あ、やっぱりそう思うんだ)」

読み終わると療育活動のカレンダー作りの時間にちょうどなった。
ぼく「はい、行くよ」
妖精ちゃん「抱っこして」
ぼく「せっ」

軽いなぁ。ほんとうに雪の妖精みたい。ぼくは妖精ちゃんを降ろした。
妖精ちゃん「ここじゃないあっち」
妖精ちゃんはぼくの脚にしがみついた。
最近よく抱きつく。
ぼく「ちょっとうごけないよ」
妖精ちゃん「このまま連れてって」
ぼく「このまま引き連れと!?」

結局他のスタッフに足を持ち上げられ妖精ちゃんは連行された。

お雛様とお内裏様の形の紙に、折り紙を貼ってカラフルにして、
鉛筆で顔を書いてあげてそれをカレンダーに貼るのが今回の活動。

スマイルくんは活動中、集中ができなくて度々テーブルから
離れて窓へ移動していたが、ぼくが説得しに行くと、
ぼくに抱きついてテーブルに戻った。
これを三回ぐらい繰り返した。
そのたびに抱きつかれた。
抱きついてもいいと認識されるぐらいには、信頼されているらしい。
他の人に抱きついているのは見たことがない。

発達障害全般に当てはまりやすいことだが、
実際の年齢の3分の2ぐらいの精神年齢だと本当に感じる。
12歳のスマイルくんは、実際には心の年齢は8歳ぐらいかもしれない。
今日もおんぶをしてと頼まれたし。
これが難しいところで、心の年齢が幼くても、
女の子の場合は男女間の距離も教えないといけないので、
甘えたくてくっついてくる子猫ちゃんをぼくは拒否しなければいけない。

男の子ならいくらでもおんぶしてあげるけど、
それを子猫ちゃんに見られると「ずるい」と言われる。
「女性にやってもらって」と拒むと、「タヤノンがいいの」
と子猫ちゃんは言ってくる。難しいね。察してくれよと思うが。
個人的にはそういってもらえて嬉しいけど。ごめんね。


活動後は子猫ちゃんのバンド練習に参加した。
子猫ちゃんはキーボードでアフリカン・シンフォニー
なる謎の曲を演奏し、ぼくはドラムでリズムを刻んだ。

そして赤オニちゃんとパズルちゃんと子猫ちゃんと一緒に、
隕石ごっこをした。具体的な遊び方としては、
ぼくが両手をグーにして、
「隕石降ってくる! みんな滅んじゃう!!」
と言って赤オニちゃんたちに襲いかかる遊び。
みんなは空気入れを使って必死に隕石が落ちないように抵抗していた。

この遊びは受けがかなり良かった。

最後は子猫ちゃんと赤鬼ちゃんと一緒に
人形遊びをして終わった。

赤オニちゃん「ぼくトカゲ。ヒコザルの耳の中入っちゃおう」
赤オニちゃん「ふえぇぇ、やめてよ~」
ぼく「トカゲ、逮捕だ」
子猫ちゃん「バイクぶぅぅうぅん!」
ぼく「おい、スピード出し過ぎだ! 逮捕するぞ」

この遊びで機嫌がよくなったのか、
子猫ちゃんはぼくだけに秘密を打ち明けてくれた。

子猫ちゃん「みんなには内緒ね。これチロルチョコ、友達にもらったの」
ぼく「おい何持ってきてるんだww」
子猫ちゃん「言わないでね」
ぼく「言わない言わない」
子猫ちゃん「おうちに帰ったらね、お母さんに内緒で冷蔵庫に隠しとくの。
でもあの人すぐ捨てちゃうから、すぐに食べるの」
ぼく「そうかそうか(笑)」

そして帰る時。
子猫ちゃん「わたしタヤノンと出る!」
赤オニちゃん(イラッ)
子猫ちゃん「ほら、疲れてんだから荷物持ちなさいよ!
エレベーターの中にもちゃんと来てよ」

そう言って子猫ちゃんはぼくの腕に抱きついてくるのだった。
いま拒絶したら……絶対不機嫌になるだろうな。
ま、時がきたら本人から自然に甘えなくなるだろうし、
今ぐらいはいいか。

そしてぼくはエレベーターの人数の都合上階段で一階まで降りた。
子猫ちゃんがぶつくさ文句を言ったので、
なだめる同僚の声が聞こえた。