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のほほんほわほわ

植物擬人化小説『ラベンダーさん』が読めます

ぼくと赤オニちゃんの出会い

施設で働き始めたばかりの頃、ぼくはまだ子供たちとの信頼関係を

築けていなかった。

最初のうちはナメられるというのを上司から聞いていたが、

思ったほどでもなく。

むしろみんな、新しいオモチャが来たように興味を持って接してくれた。

ぼくは最初からかなり好印象を持たれていたように思う。

いま思うと、童顔だから他の大人よりは打ち解けやすいのかもしれない。

 

むかしから同世代受けはしないけど、お年寄り受けはすごく良くて。

お年寄り受けが良いのは微妙だなと感じていたが、

子供受けがいいのはすごくうれしい。

 

本当に受けが良い。

 

といっても、子供たちとの距離感や接し方がまったく分からなかったので、

まずはひとりで遊んでいる子と一緒に遊ぶことになったのだった。

 

それが赤オニちゃんだった。

 

いまでこそいろんな遊びをする赤オニちゃんは、

最初は人形でしか遊ばない子だった。(と言っても一ヵ月ちょっと前の話だが)

 

赤オニちゃんは30~40体は入った人形ボックスからお気に入りの人形である

佐藤さん、大山さん、そしてその他を取り、ひとりで無言で人形遊びをしていた。

そこにぼく参加。

 

そのときぼくに赤オニちゃんから与えられた人形は雪だるまだった。

他の人形を使われるのはイヤらしく、ぼくは雪だるまで一緒に遊んだ。

そのときのやりとりはなんだったかなぁ。

 

たしか~、佐藤さんは魔法使いで、大山さんは佐藤さんのお姉さん? で、

佐藤さんと大山さんは雪だるまのことがキライとかなんとかだったような。

 

ちなみに人形には、

佐藤さんと大山さんという59歳の美人(見た目は20前後で、

このふたりはレギュラーメンバー)のほかに、

リボンちゃん、ロボニャン、金山さんと銀山さんというねむネコの人形、

犬山さんがいる。

 

だれだよという感じだが、いるのだ。

名前を覚えるのに必死だったよぼかぁ。

 

それからは、あまり内容のない

(最終的に雪だるまが佐藤さんと大山さんから一方的にヒドい目に遭う)

人形遊びを毎日やっていたように思う。

 

しかし問題がひとつあった。

赤オニちゃんは、30~40体はある人形をよく独占してしまっていた。

他の子供たちが使いたいと思っても、なかなか使わしてはくれなかったのだった。

最終的にはスタッフに注意されて、貸してはいたが。