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のほほんほわほわ

植物擬人化小説『ラベンダーさん』が読めます

「みんな! いっさんはひとりしかいないから!! 手ぇちぎれちゃう!!?」

ぼくと赤オニちゃん

昨日の施設でのできごとだ。

ぼくは窓から空を見上げていた。

おやつの時間も終わりかけの頃だ。

すると、ブラックくんがとなりにやってきた。

そして、おやつを食べ終わった赤オニちゃんも

たったったっと腕を動かさない可愛らしい動きでやってきた。

 

ブラックくん「ねえいっさん、抱っこして」

ぼくの左手をひっぱる。

いっくん「いまみんなおやつ食べてるからだめ」

赤オニちゃん「逮捕します、牢屋に入ってください」

ぼくの右手をひっぱる。

 

ブラックくんはぼくの次に、赤オニちゃんとの心の距離が

近い児童だ。冬休みのサメごっこの中で生死を共にしたからか、

赤オニちゃんはブラックくんのことを信用している。

(もちろんサメはぼく)

 

ブラックくんがぼくの左手を引っ張り始めたため、

刺激された赤オニちゃんもぼくの右手を引っ張り出した。

「うぉぉぉおおおぉぉお、イタイイタイイタイ(笑)」

ちぎれる、ちぎれる!

 

ブラックくん「赤オニちゃん、手ぇ離して!」

赤オニちゃん「うぅん!」

 

いっくん「ふたりとも、ちょっとまって――」

パズルちゃん「センセ、何やってんの!?」

いっくん「いっさんの取り合い」

パズルちゃん「腕切っちゃお」

いっくん「痛タタタt!」

何やってんだパズル!!!!

パズルちゃんはチョップの形でぼくの手を切り始めた。

パズルちゃん「センセ! 面白い!!!」(大興奮)

いっくん「おもしろくない!(笑)」

パズルちゃん「なんで?」

いっくん「なんでだろーね?」

パズルちゃん「ブラック、手伝うよ!」

 

ブラックくん、パズルちゃん VS 赤オニちゃん

 

そしてこの騒ぎは、ひと部屋の施設では瞬く間に知れ渡っていった。

 

大好きくん「何やってるんですか⤴ いっさん大好き!」

いっくん「いっさんの取り合いだよ、助けて」

パズルちゃん「大好き、こっち、手伝って!」

やめてくれよ!!!

大好きくん「赤オニちゃん、いっさん取らないでよ!」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん VS 赤オニちゃん

 

いっさん「ねえちょっと、赤オニちゃんひとりなんだけど! 

女の子だからさ――」

 

金さん(スタッフ。元おすもうさん)「何やってんの? 俺も混ぜてよ」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん、金さん VS 赤オニちゃん

 

赤オニちゃんすげーな! よく持ちこたえてるな!!!

ま、ぼくが赤オニちゃん寄りに体重をかけているんだけど。

うでイッタッッッ!!!!?

 

シャチくん「あー、ズルい、オレもやるぅ!!」

シャチくん来ちゃったよ。

パズルちゃん「シャチ、こっち!!」

いっさん「ちょ、待って、人多いからッ!!?」

シャチくん「おらおらおら!!」

 

ブラックくん、パズルちゃん、大好きくん、金さん、シャチくん

 VS

赤オニちゃん

 

ちょ、みんな。待って!!!

 

いっくん「みんな! いっさんはひとりしかいないから!! 

手ぇちぎれちゃう!!?」

 

最終的にはブラックチームにいっくんと赤オニちゃんがずるずる

引きずられたので、金さんが赤オニちゃんチームに入って

圧倒的勝利を収めました。

金さんも、ブラックチームにいるときはほとんど力を入れず。

 

なおシャチくんはその後、何回戦目か忘れたけど赤オニちゃんの

腕を何度も叩くという反則をしていっくん綱引きに勝とうとしたので、

厳重注意しました。

 

熱かったなあ! 

教室中に瞬間速度過去最大で一大旋風を巻き起こし、

その日ヘルプに来ていた女性の人が笑ってたよ。

窓際のいっくん綱引きのところだけ、世界が違ってた!

オーラがめちゃくちゃ黄色に輝いて視えてた気がする。

 

すっごい楽しかった!!!!

一、ニを争うぐらい楽しかった!!!

 

あばよ。