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のほほんほわほわ

植物擬人化小説『ラベンダーさん』が読めます

第3輪 マノン・ガトフォセ

ラベンダーさんと黄金のリンゴⅠ サンタの国

そろそろ帰ってくる頃だな

 

      ――ガトフォセ

 

 

 

黄金の葉っぱが目立ってきた11月。

都会の中とは思えないほど木が生いしげる自然公園の中を、

走っていく3人の少年たちがいた。

急な大声に驚いたカモたちが水面から飛び立っていった。

 

「は、は、返してよ!」

「ほーらこっちだ。投げるぞガブ」

「うわ」投げられた何かを、ガブと呼ばれた少年は

落としそうになりながらもキャッチした。

「あーやばい、来るぞ!」

 

ふたりの少年が何かを投げ合っている。

 

「ねえ、返してってば」

いかにも気弱そうな少年が言った。

 

「フー! 返してほしけりゃ20フランよこしな」

「おいガブ、そんな汚いぬいぐるみに20フランの価値もねえよ」

「だ、だまれ! おばあちゃんが作ってくれたものを悪く言うな」

 

「なんだピエール、文句でもあるのか?

しょうがない、お友達割引で10フランにまけてやろう」

「あっはっはっはっは! ルカはやさしいな」

 

ルカ・ミィシェーレ。ガブリエル・ベフトォン。

どちらも学校では名の知れた悪ガキだ。

 

「ねえ、返してよ!」

「返してほしかったら力ずくで奪ってみたらどうだ?

ぬいぐるみが大好きなお嬢ちゃん」ルカはあざけった。

 

ピエールはルカにつかみかかろうとしたが、バチンと顔をはじかれて

尻もちをついた。

 

「おいルカ、やりすぎだ! なにもそこまですることはないじゃないか!」

急いで近づいてきたガブがピエールに手を差し出した。

「悪かった、ちょっとふざけただけなんだ。ごめん」

「うん、いいよ」

 

しかしピエールが安心して手をつかむと、

ガブは思いっきり力を入れて180度反転!

ピエールは投げ飛ばされてしまった。

「うッ!」

 

「「あっはっはっはっは!」」

 

大笑いするイジメっ子ふたりを見て、ピエールは痛みと恥ずかしさ、くやしさの

あまり涙を流した。心がズキズキ痛んだ。

「くそう」

 

そんな時。

 

「マノン・キャノン!」  

 

 「ゲァ!?」

 

とつぜん前に倒れたルカに驚くガブ。

 

ガブのとなり、さっきまでルカがいた場所には

赤髪の女の子が立っていた。